水曜日, 5月 12, 2010

no live, no life

坂本龍一のインタビュー記事で、音楽のライブ回帰を語っていた。
http://www.phileweb.com/interview/article/200908/31/25.html



レコードが登場する以前、全ての音楽は「ライブ」だった。

ライブのコピー(CDやダウンロード)も楽しめることは楽しめるが、どんなに気合を入れて聞いたところで、ライブとは別物。
ライブだけが人と人との本当の関わりなのだ。
人との関わり、という意味において、コピーがライブを超えることはない。
(コピーであるCDなどを聞いて楽しむ、コピー音楽の楽しみを否定するわけではない。)


恥ずかしい事に最近知ったのだが、ソクラテスは全く文章を書き残すことをしなかったそうだ。
Wikipediaによると、その理由は、
「話し言葉つまり「生きている言葉」は、書き留められた言葉の「死んだ会話」とは違って、意味、音、旋律、強勢、抑揚およびリズムに満ちた、吟味と対話によって1枚ずつ皮をはぐように明らかにしていくことのできる動的実体である。。。」
「書き言葉が記憶を破壊する。。。」
などとなっている。

一度読んでハマった"Presentation Zen"も全く同じ考え方だ。
読めばわかることをわざわざ目前でプレゼンすることの無意味さ、勿体なさ。
ライブだからこそ伝えられる方法。


先日のゴールデンウィークに孫娘が遊びに来ていた。
まだ二歳にも満たない彼女は、パパかママに本を読んでもらいたがる。
まだ、字はおろかストーリーさえ理解しているかどうか怪しい。
それでも、不思議なことに、片手間で読んであげたのでは駄目だし、ビデオでもダメだ。
あくまで、今、ここに確かに存在する、自分への愛情に溢れた親が、自分だけを見つめて読んでくれなければ納得しないのだ。

その瞬間を共に過ごすしている事自体が奇跡だということ。
これがライブだ。

今、ここに存在する自分だからこその何か、を忘れてはいけない。改めてそう感じた。

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