水曜日, 1月 11, 2012

円形脱毛とその対策


不思議なもので、それは何の前触れもなくやって来る。
最初は、頭を触った時、「あれ、ここに傷があったかな」ぐらいの感じ。
自分ではわからず、人に指を掴まれて指の先をその部分に当てられて、「お、なるほど」と思うような小さいハゲ。

スタートは子供銀行の1円硬貨ぐらいからだ。

普段坊主頭にしていると、こういう空間の発見は早い。
早いだけではなく、「以前は無かった」と断言できるのもよい。

それから一ヶ月ほどで、ムクムクと、いや、ジワジワと、か、気がつくと面積が広がっている。500円硬貨ぐらい。
しかも、見事に円形に広がるのだから、もう、筆箱にコンパスを忘れても大丈夫、的な真円を形作っているのだ。
そもそも、円形脱毛症は聞いたことがあるが、正方脱毛症や直方脱毛症、三角脱毛症、正十二角形脱毛症、などというのは聞かない。

あまりに綺麗な円形なので、ニコニコマークを書いてみようかと思ったり、敢えてのリボンを貼り付けるとか、ゴルフ場チックに旗を立ててみる、とか、まぁ、行動には移さないものの、なかなか話のネタにはなるヤツなのです。

で、年末最終勤務日の後の職場の宴会に「スキンヘッドで登場」っていうのをやってみた。

去年は床屋さんでスキンヘッドにしてみたんだけど、頼んだ僕も、頼まれた床屋さんも、お互いもう嫌だ、っていうぐらい面倒だった。
そりゃそうだ。髭剃りの面積比で10倍ほど、毛の密度で3倍ほど、全体で30倍ほどの手間なのだ。

実際、去年のオネエ疑惑ありの床屋さんでは、まるまる1時間ほどかかって仕上がったのだ。

で、今年。
ここ最近は、自分で坊主頭にするので、その上で、頭の「髭剃り」をすればいい、と、短絡的に考えた。

帰省準備と散髪のために最終出社日を午後半休して自宅に帰る。

まず、鏡の前に絶つ。
そして、「エリザベスカーラー」と呼ぶのかは知らないが首の周りで髪の毛をキャッチするエリマキトカゲ状の物体を装着する。

いつものように、まず、丸刈りにする。
これはやってみるととても気持ちいいものだ。
特に、刈り始めは、「今日は逆モヒカンにしよう」とか「今回はザビエルにしてみよう」とか、創意工夫が活かせるのだ。

そんなこんなで、50絡みのオジサンともなると、日常ではめったに鏡を見ることも無いのだが、この時ばかりはシッカリ鏡の自分と対峙するのだ。

10分ほどだろうか、程なく丸刈りは終了する。
丸刈り長さ調整のアダプターが壊れてしまったので、3mm固定だが仕方ない。

ここで一度、カーラーに溜まった髪の毛を捨てる。

白黒ニ色の髪だ。
どうせなら、灰色一色になってくれれば良いのだが、DNAはそれを許さず、真っ白と真っ黒のニ色の毛が、綿のように溜まっている。

いつもならここでシャワーを浴びて作業完了なのだが、今日は、ここからが本番。

まず、いつも使っている(丸刈り用とは別の)電気シェーバーで刈ってみる。

「???」
激しい音はすれども、髭のようにシェーバーの通過した場所がスッキリ、とはならない。
髪の毛を根こそぎカットする予定が、髪の毛の先、それも3mm残った分の1mmほどをカットするだけのようだ。

シェーバーの角度が悪いのかと思い、刈りたい場所にたいして垂直に当たるようにして、グリグリグリグリと押し付けるようにしてみる。

ブーン、ザリッ、ジャリッジャリッ、ガガガリッ、と、激しく、今度は手応えもシッカリある。

そして、頭からシェーバーを離し、剃り跡を確かめる。。。。

ガーーーーーーン。
ヤバイ。。。
やっちまったなー、と餅をつく光景が目に浮かぶ。

シェーバーを当て擦りつけていた場所。右側頭部。
そこに、焼畑農業の跡地ができているではないか。

ところどころに焦げた木々を残したまま、他は燻っている、そんな風景がシェーバーを当てていた12平方cm(3cm×4cm)ぐらいに広がっているではないか。

落ち着け自分。

さらに暫くの間、焼畑農法を続けてみる。
10分程続けてみると、ようやく、焼畑農法の中心部分に、僅かながら美しい土地が現れる。

、、、が、このペースではどう見繕っても3時間以上はかかってしまう。
年末最終飲み会に間に合わないではないか!

などと、こんな時に面積比で作業時間を割り出すなんて、算数は役に立つなぁ、などと思いながら、

1.このまま帽子を被って、恥を忍んで床屋に行ってツルッパゲにしてもらう
2.このまま何も無かったことにして(恥を晒して)、正月休暇最後に坊主頭にする

うーん、どうする。

その時、僕の目に、先ほどまで丸坊主にするためのシェーバーが目についた。
そのシェーバーは、髭剃りにも使えるアタッチメントがあった事を思い出した。
ゴソゴソ、その使ったことのないアタッチメントを取り付けた。
うーむ、二枚刃なんだ。○枚刃を、初めて意識した。

そして、スイッチを入れる。
半ば選択肢1で諦めつつも、焼畑農業の聖地にシェーバーを当てていく。

「!?」
世の中に"!?"という、ビックリハテナ顔があったら、この時の鏡に映った僕の顔がそれだ。

二枚刃の威力というのはこういうことか。

明らかに、さっきのシェーバーとは違う。
単位時間あたりの耕作面積でいうと、2倍、いや3倍ぐらい違う。
なおかつ、あまりの出来事に忘れていたが、さっきのシェーバーにはあった「痛み」が無い。
さっきのシェーバーでは、時々、「ガリガッガッガーガリガリ」のように、明らかに歯に髪が巻き込まれたようになって、少し痛かったのだ。
(それにしても、髪の毛は3mmでも30cmでも痛みは同じだ。)

それから苦節1時間ほどで、私の頭は見事に肌頭(スキンヘッド)となり、見事に円形脱毛部分は無くなった、という話でした。

その二日後に、また、円形脱毛症が発症したのは言うまでもない。

↓これ、欲しい。

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