土曜日, 1月 21, 2012

タモリ倶楽部 1/2



は良い。
先週(首都圏でいつかはよくわからないが)の放送などは、典型的な「タモリ倶楽部の良さ」が詰まった放送だった。

先週の放送を例に、その魅力を書き残しておこう。

1.レアなテーマを探しだす
先週のテーマは「飛び出し坊や」だった。
まず、「飛び出し坊や」と聞いても何のことだかわからない。
世間で流行っているか、よりも、深く追求している人がいるかどうか、が重要なのだ。
過去に、もう10年以上エロ漫画雑誌にエロ漫画を投稿し続けるナントカさん(名前は忘れたがその投稿を見たことはある気がした)の作風の変化などを追った回もあった。
今回の飛び出し坊やとはこちら→

この「聞いてもわからないテーマ」を取り上げている番組としては、他に、放送大学の講義がある。放送大学のテーマヒット率(番組を最後まで観ようと思わせる確率)は、1/7ぐらいなのだが、タモリ倶楽部はその数倍2/3ぐらいになるのではないか。

さすがのタモリ倶楽部も、3回に1回程度はテーマを外す場合もあるのだけど、まぁ、それはこれから述べる他の要素で充分にカバーするのだ。残念ながら放送大学の場合は、テーマ以外にカバーする要素がないので、結果、放送大学の番組を観る機会はまずない。

2.レアなテーマを高尚な視点と下衆な視点双方から掘り下げる
番組では、まず、様々な「飛び出し坊や」を分類する。
このテーマの研究者である「みうらじゅん」はかれこれ30年ほど(まだ高校生だったという)写真に記録し続けている。

その飛び出し坊や研究家の第一人者が、ここからが重要なのだが、「自由に」テーマに対して論評するのだ。
時に仏像の伝搬(同氏は仏像に関する研究者としても知られる)との対比をし、時に、その造形から性的な連想を想起させるとの話題まで、実に自由なのだ。

タモリ倶楽部では、共演者についても、発言内容は自由だ。
度々、いわゆる下ネタに話題が逸れているように見えるが、ある説によれば成人男性は17秒に1回性的な想像をするのだというから、この番組自体はとても自然かつ自由に出演者たちが思った通りの発言が許されている稀有な番組なのだ。

自由に発言する番組といえば、朝生(これも奇しくもテレ朝だが)があるが、あちらも自由ではあるものの、まぁ、タモクラの前には大人げないと言わざるを得ない。
そんなわけで、タモクラは観るものの共感を得られないはずがないのだ。

3.「実」を取る主義の徹底
今回の「飛び出し坊や」発祥の地は滋賀県なのだという。
単に垂れ流され続ける普通のテレビ番組であれば、スタッフや出演者が滋賀県に取材し、場合によっては現地ロケや中継を組むところだ。

が、タモリ倶楽部は、そんな無駄な時間は使わない。なにしろ、毎週1テーマを前述の深さでこなし続けるのだ。
表面的な派手さなどタモクラには不要だ。テーマを深堀する「実」が取れれば良いのだ。

ということで、今回は、滋賀出身の番組ADが帰省した際に撮影してきた映像を参考映像として使用していた。番組は、その情報と、みうらじゅん氏の撮り貯めた飛び出し坊やの写真を中心に我々視聴者に必要十分にテーマの深遠さを伝えていた。

ちなみに、番組は京急梅屋敷駅近くの喫茶「琵琶湖」で収録されており、ここまでテーマに対し真摯に向き合い、僅かな隙も許さない番組は、残念ながら他に観たことがない。

話は長くなるので明日に続く。

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