木曜日, 1月 26, 2012

"暗号解読"トピックス「ヒエログリフ」


↑ヒエログリフ解読に欠かせなかったロゼッタストーン

「暗号解読」を読み終えました。
いやー。面白かった。少し時間を空けて、もう一度読みたい。


それにしても、著者のサイモン・シンは凄い。
ネットの暗号解説サイトの説明を何回読んでもチンプンカンプンだった。
そんな僕でも、とってもわかりやすい解説に感謝。

著者のシンちゃん、Wikipediaによると彼は僕と同い年。学年は一個上。
イギリスの作家/テレビプロデューサーだという。
※サイモン・シン(Wikipedia)

ベストセラー「フェルマーの最終定理」も、これなら面白いに違いない。
タイトルで拒否らずにこちらも読んでみたい。

解説の巧さにも増して、ストーリーもどんどん引き込まれる展開だった。
史実を追いながら、まるで自分がその時代時代の社会に暮らしているかのような臨場感を与えてくれる。
結果が難解で複雑なモノも、そこに至る人間模様や、取り組んだその人の背景なんかを知ると、面白いように頭に入るというか腹に落ちるんだなぁ。

そんな名作「暗号解読」の中から印象深かったことをメモっておこう。

●エジプトのヒエログリフ
まず、ヒエログリフ。一番印象に残ったのはコレだ。
そもそもこの象形文字は暗号でもなんでもない、当時は普通に使われていた言語・文字だ。
しかし、当時の言語が廃れてしまった結果、誰にも読めなくなってしまったのだ。
言語が廃れる、ということは、その言語で記されたものは「暗号」になるという、考えてみれば当たり前のことに驚いた。

で、さらに興味深かったのは、エジプトのヒエログリフが何百年もの間誰にも解読できていなかったということだ。
長い間「絵文字(表意文字)」として取り扱われ、中には自己流に絵の並びから内容を推測する専門家までいたらしい。
※そんな専門家がいたから正攻法で解読しようとする人もなかなか現れなかったようだ。

話はそれるが、自己流に絵の並びから解読する専門家、という職業が今もあるなら是非応募したい。
「おぉ、これは、"蛇と女"と"壺の中のライオン"を組み合わせた絵文字ですな。この意味するところは、粘着質の女が自分の夫の自由を奪う、という意味じゃ。今も昔も変わらぬよのぅ。」
などと想像力を膨らませ解読して、いや、解読したかのようにみせる仕事も面白そうだ。

そんなこんなで、言語が廃れて数百年後、19世紀になってようやく、天才フランソワ・シャンポリオン(古代エジプト学の父と言われる人)が、アルファベットや平仮名のように「表音文字」だと突き止めた、以降は、正しく翻訳されるようになっていった。

詳しくはこちら(Wikipedia)

ヒエログリフの読み書きを指南するサイト!

↓はシャンポリオンさん。音楽室に貼ってあるポスターとは違います。



ということで、ヒエログリフの下りを思い返してるだけでも、テンションが上がるなぁ。
これからは、やっぱり、何百年、何千年も先まで記録を残したいなら岩に壁画かなぁ。

未来へに託す記録といえば、映画「10万年後の安全」(核廃棄物をフィンランドの山の中地下数百メートルに埋める話。既に穴を掘り始めていて2100年には完成する予定。らしい。)でも、10万年後の社会に「ここは危険物が埋められている」ことを伝える手段が無いと言っていたなぁ。10万年後の人間がいたとして、10万年後に文字や言葉でコミュニケーションしていたら、そのことの方が驚きになるもんなぁ。
映画『100,000年後の安全』

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