水曜日, 11月 30, 2011

映画「ブローン・アパート」


CMやトレーラーでは、今ひとつ、何がウリなのか、どんなジャンルなのか、ピンと来なかったけど、観てみるとなるほどヨーロッパのベストセラー「息子を奪ったあなたへ」の映画化だけあって、深い映画でした。

また、サイドストーリーになるわけだけど、「テロ」に対する見方も、アメリカとの違いを感じました。
もしかすると、この原作の映画化はアメリカでは難しいかもしれません。

例によってあらすじはこちら→http://blown-apart.com/


軽薄になりがちな人間関係、そんな中でも変わらない、母と子の絆、建前ではない真実の重み。
どんな経緯があろが、どんな状況だろうが、どんな境遇だろうが、出産は嘘偽りの余地のない行為。

これをテーマにズドヨーンと、身につまされる映画でした。
ジンポトーリと涙が出てくる感じの映画。
ズドヨーンときて、ジンポートリとくるのです。ドドスコスコスコなどとは相容れない世界。

どんなに世の中が変わっても、変わらない(変われない)事柄を目を背けずにシッカリ見つめる。
そうすれば、そこに答えがあるとこの映画は教えてくれる。

それが若い時にわかっていれば良かった、と、今さら後悔しても遅いのだけど、目を覚ますには充分な映画でした。

相変わらず、雨でも霧でもないのに、イギリスはグレーを基調にした映像。
イギリス映画協会は鮮明な色彩を禁じているのだろうか。と思いつつ、この映画に関しては、この色合いで良かった。




火曜日, 11月 29, 2011

映画「地球に優しい生活」


原題は「No Impact Man」。主人公のサイトはこちら。
http://noimpactman.typepad.com/


この映画、正直、期待していなかった。アメリカ映画だし。
エコブームに乗った、「はいはい。わかりました。よくできました。」的な醒めた感覚になるような映画なんだろうなと思っていた。

で、観てみたら、まぁ、あなた、ねぇ、割りといけてるのよ。と、オバサンモードになるような良作。

映画、というより、良質のドキュメンタリー、あ、それはそれで映画か。
古き良きテレビ番組、以前の、新日本紀行的な淡々としたノリです。

作家を生業とする主人公が、家族と共に「エコな生活にチャレンジしてみよう」と思い立つところから物語はスタートします。
ここのところが、良い意味でアメリカ的で、「注目をあびるかも」や「作家として次の作品に活かせるかも」というような見ようによっては腹黒い部分もスッキリ吐露しつつのスタート。
注目も浴びたし、次の作品にも活かされたわけだけど、面白いのは、主人公一家が「特殊なことをして目立つ」という、どこか気負った意識が、映画の後半では、「こういう生き方がむしろ普通だよねぇ」的な感覚に変わっていくところだ。

家族構成は、奥さんと一人娘。子供はまだ3歳なので、事実上、巻き込まれて迷惑を感じるのは奥さん。
「環境に悪影響を及ぼさない」意味を考え、電車や車の移動を自転車にしたり、外食を止めたり、そんなところからスタートします。
一年と期限を切ってのスタートなので、開始前日に大量に洋服を買い込む奥さん。
気持ちはわかります。「食料以外は新たに買わない」のが最初のルールだから。

そんな感じで、まぁ、最初のうちは、「買い置き」もあるわけで、チョット不便、ぐらいのノリです。
想定内で楽しむ余裕がある。

テレビを捨て(リサイクルショップに持ち込む)、洋服を捨て、食料は200Km圏内でとれたものしか買わない。結果、地元の市場でしか買わない。
ミミズを買い込んで生ゴミは全て家庭内で処理する、と、だんだん本格化していきます。

そして、紙オムツ無し、トイレットペーパー無し(布を利用)、洗剤/石鹸無し(自家製に切り替え)、洗濯機を使わない(風呂桶で洗濯)、、、、そして3カ月後にはいよいよ電気を遮断し、太陽光発電パネル一枚でブログ更新だけはなんとか続けます。


一年かけて、四季を越えながら、一つ一つハードルを乗り越え、その都度、普通の不便さを感じ、その不便さを乗り越える楽しみを覚え、そこにニューヨークのど真ん中に住んでいても感じられる「自然」を満喫するようになっていく。
最後には、その全てが「当たり前」に変わっていく。
その過程は、見ているだけでも、とても楽しいものでした。

そう、今だって、普通に電気がなかったり、スーパーが無い地域でも人は暮らしいてるわけだし。

気になった/興味深かったこと
☆子供は柔軟
 夫婦ともに少なからず慣れるまでの間は「不便に対するストレス」がある。
 でも、三歳の女の子は、終始、楽しそうに環境変化に合わせていることでした。あっという間に順応する。
★旧態依然を守りたい陣営の嫉妬
 彼がそんな生活を始めて脚光を浴びているからか、彼や家族に嫌がらせがあったことには驚いた。
 こんな小さなイノベーション(かどうかもわからない実験)にも面白くないと感じる人達がいるんだなぁ。
 資本主義恐るべし。



↑いずれもお金を出して買わなければ手に入らない本達。:-P

木曜日, 11月 24, 2011

殿堂入りのプロジェクトマネジメント



http://history.nasa.gov/ap11ann/adminbios.htm
↑のリンク先に、アポロ計画の主だったマネージャー達が紹介されている。


当時はまだ、プロジェクトマネージャー(以下PM)のバイブルPMBOKも無かった時代。
ケネディー大統領の発表時点では、一部の人々からは「荒唐無稽」とまで言われたプロジェクトがアポロ計画だ。

当初、A~Gまで7つ計画されたミッションを完了させたのは当然、最終的にはH~Jまで計10のミッションを完了させた。更に、当初計画ではアポロ20号まであったものが17号で終了(ミッションコンプリートで前倒し、残り3号分の予算はスペースシャトル計画に回された)できたのだ。

これは、明らかにスーパープロジェクトだ。
もし、プロジェクトXの世界大会があれば、殿堂入り間違いなしだ。
ケネディーの言葉を借りれば、「このプロジェクト以上により強い印象を人類に残すものは存在しない」壮大な成功プロジェクトだ。
(但し、地上でのシミュレーション中に三名の宇宙飛行士を失っている。合掌。)


プロジェクトキックオフのメッセージとも、プロジェクト憲章とも言えるのが有名なこれだ。(Wikipediaより)
 1961年5月25日、ケネディは上下両院合同議会での演説で、アポロ計画の支援を表明した。
「まず私は、今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還させるという目標の達成に我が国民が取り組むべきと確信しています。この期間のこの宇宙プロジェクト以上に、より強い印象を人類に残すものは存在せず、長きにわたる宇宙探査史においてより重要となるものも存在しないことでしょう。そして、このプロジェクト以上に完遂に困難を伴い費用を要するものもないでしょう。」


素晴らしいメッセージだ。力づけられる。勇気が湧いてくる。
そして、なによりも判りやすい!


仮に、当時のNASAで掃除夫*をしていたとしても、誇りを感じただろう。そんな力を与えられる言葉だ。
とはいえ、言葉ならどうにでもなるかもしれない。ましてや政治家の言葉だ。
*掃除夫に他意はありません。あぁ、ネットって面倒くさい。


ここは疑い深く、本当に素晴らしいキックオフのメッセージだったのかどうか、検証してみよう。
どう検証しようか考えたのだけど、アポロ計画と同様に、10年以上の歳月をかけた国家的なプロジェクトとしての日本の「もんじゅ」を比べてみよう。←別にもんじゅでなくても良かったのだけど、国家プロジェクトと聞いて思い出したのがもんじゅなのだから仕方ない。


、、、と思ってググったが、当時の首相の言葉は見つけられなかった。

代わりに動燃30年史にこんな記述があった
「1.高速増殖原型炉「もんじゅ」の開発の目的と進め方
 高速増殖原型炉「もんじゅ」は、原子力委員会が策定した~中略~昭和43年以来開発を進めてきた発電プラントである。」
ソース→http://www.jaea.go.jp/jnc/siryou/30nensi/index.html

あるいは、昭和31年の原子力白書に首相ではないが当時の大臣の言葉があった。
「世界の原子力の平和利用は,~中略~
 さらに世界の原子力利用の~再中略~
昭和32年12月
原子力委員会委員長    
国務大臣   正力 松太郎」
ソース→http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/hakusho/wp1956/index.htm


ケネディーの演説とは大違いだ。「○○に基づきやるのだ」「世界がやるからやるのだ」でしかない。
その上、「分かり難い」。伝わらない、というより、伝える気が無かったのだろう。
最初から他責の論理だった。自分の国ながら残念だ。

だって、ケネディーの演説は、「我々がやらねばならぬのだ」だ。
あくまで自責なのだ。


なるほど。プロジェクトの成功とはそういうことだ。
責任者が自分の責任において、「やるのだ」という意思を明確に発することが重要なのだ。
長らく日本の政治が何もできないのは、そういうことなんだろう。

イノベーションの本で読んだ、「成功への絶対条件は危機感の共有」という意味がよくわかる気がする。
もし、今なお、"もんじゅプロジェクト"を継続するのなら、「少なくとも今まで作り出してしまった核廃棄物を最終処理するために、やらねばならぬのだ」と言ってくれれば、原発への賛否はともかく、共感できるのに、と思った。

※はみ出し
 もんじゅ計画を含め、核廃棄物を最終処理できる技術を人類は未だ持っていない。念のため。
 じゃあ、どうするかといえば、事実上「放置」「海洋投棄」「数百メートル地下に格納」のどれかだ。
 宇宙投機は「万が一失敗(空中で拡散)した時のリスク」から誰も踏み切れないのだそうだ。
 唯一期待できそうなのは、「軌道エレベーター」だが、まだ先の話のようだ。

※はみ出し2
 ↓は"原子炉圧力容器内の放射能除去装置"という特許情報。ま、僕のような素人が考える言葉のイメージ通り使えるならフクシマは困らないわけだが。。。
http://www.patentjp.com/06/U/U100012/DA10016.html

※はみ出し3
 ついでに、「宇宙エレベーター協会」という団体があり、前述の軌道エレベーターを語り合っている。
http://jsea.jp/

水曜日, 11月 23, 2011

僕は、月に行った人と共に生きている


人に薦めたい映画ランキングベスト5というのがあったら、間違いなくランキングする「アポロ13」。
アポロ好きでも、宇宙好きでも、飛行機好きでもないのだけど、アポロ13は、プロジェクト運営やリモートサポートの醍醐味が「事実として」まんべんなく描かれている名画だ。

で、そんなアポロ13好きの僕が先日TSUTAYAの1/4枠を探して見つけた映画があった。
そう、アポロ13は好きだが、こうやってメモっとく映画はアポロ13ではない。「THE MOON」だ。

話はそれるが、1/4枠というのは、4本1000円なら3本は話題作や映画として観たいものを探すのだけど、1本は、暖簾をくぐらずに借りられる、お遊び系(大概は肌色系)映画の枠のことだ。
棚の場所的には、普通の作品が並んでいる棚の一番下の棚に並んでいることが多い。そして、今時、中年オジサンもそんなダジャレは使わないよ、的な、笑うに笑えないようなタイトルも多い。
1/4枠の最近のヒットは「尻に憑かれた男」だ。

話戻して、今回の1/4枠は、一番下の棚にはなかった。
一番下の棚の、ここのところ僕が狙っている注目作品は、、、相変わらず貸し出されていた。
しかたない、もう一つの1/4枠作品を見出す場所、「その他」の棚に行ってみた。

この棚は、各種教則ビデオやミュージックビデオなどが集められた場所。過去に、ドラッカーのビデオを借りたが、単なるドラッカー研究本の宣伝ビデオでガッカリしたことがある。それ以来のその他棚なんだな。(←"棚"と"なんだな"が掛かってるわけなんだな。)

そんな中で発見したのが「THE MOON」だ。
要するにアポロの月着陸プロジェクト飛行士達の回想ビデオだ。ドキュメンタリーだ。

これが意外に面白かった。
まず、映像が美しい。CGやハイビジョンとは違って、当時のフィルム映像ばかりなのだけど、美しい。
アナログにしか表現できない「空気感」があるからだろうか。美しい映像ばかりだった。

当然、宇宙船や月から観た地球の映像が満載だ。また、当時の宇宙船内の映像がふんだんに使われている。そんな映像を散々見せられた後、地球に帰還し、大海原に着水した時の映像は、圧巻だ。本当に地球は美しい。クドイけど本当に美しい。

映画の最後に、月着陸を疑うよう陰謀説に触れているが、まぁ、それはご愛嬌。
いまや、いいオジイチャン(あの頃の飛行士達は、みんな80歳だよ!)となった飛行士達のインタビュー、生声を、眼と耳で確かめられる貴重な映画だ。

月に行った人間が(まだ)いる時代を過ごせたことは奇跡かもしれない。
いや、月に行った人間が過去の話になれば、また、誰かが月に行くのかもしれない。

いずれにせよ、今、こうして生きている自分がラッキーな存在なのは間違いない。
そんな事を実感できる映画でした。

↓は、映画中に登場して驚かされた、月面着陸成功を祝う、当時の日本の風景。このオジサンは誰なのか、何故ビキニ姿の女性を従えているのか、何のために街宣車で月着陸成功を祝っているのか、興味は尽きない。











木曜日, 11月 17, 2011

地球調査員


↑に感動。(SUNTORY BOSS CM トミー・リー・ジョーンズによる宇宙人ジョーンズ シリーズ)

周囲の人たちに、このCMで感動するという話をしてみたが、いまいち、ピンと来ない。
どうも、自分だけが妙な思い入れがあるようなのでよくよく考えてみたら、他の人と同じ共感ポイントに加えて、ジョーンズの地に足が着いていない生き方みたいな部分があるのかも、と感じた。

仕事歴
●宇宙人ジョーンズ
運搬作業員、ディスカウントストア店員、宅配便の配達員、カラオケボックス店員、ホスト、牧場の従業員、ホットペッパー配り、空港警備員、旅館従業員、取材クルーの照明担当スタッフ、農家のお手伝い、時代劇俳優(エキストラ)、大工、工事作業員、ラーメン屋台店主、知事、刑事、ケーキショップ店員、道路工事、神社の従業員、鵜飼い、エレベーター案内役、タクシー運転手、鉄道の駅員、学校の教師、俳人

●宇宙人あざーす
新聞配達、皿洗い、新聞勧誘、犬の餌やり散歩、小学生相手の家庭教師、中学生相手の家庭教師、大学生の就活支援(企業説明会出席代行)、システムオペレーター、企業総務/庶務の下請け用務員、宅急便仕分け作業員、システム開発、ヘルプデスク運営、ショップ店員、PC組み立て作業員、トラック運転手、オリジナルTシャツ制作・販売、ホームページ運営、マウスパット販売、引越し作業員、コールセンター運営スタッフ、事業所運営スタッフ、自社でのプロジェクトマネージャーサポート、客先でのプロジェクトマネージャー

ということで、宇宙人ジョーンズの姿が心に染みる今日この頃なのだ。

しかし、だ。
宇宙人ジョーンズは、様々な仕事をこなしているようで、肩書きは「地球調査員」なのだ。
調査の必要上、様々な仕事をしているだけだ。

振り返って僕はどうかといえば、この10年ほどこそ、肩書きは「プロジェクトマネージャー(PM)」だけど、要するに、何でも屋だ。
「何をやっているんですか?」などと聞かれると、説明が面倒くさいのと、ちょっと格好良く聞こえるだろう、聞いている人が美人だし、なーんて感じで「PMやってます」なんて答えているのだけど、実態は、その時々で様々だ。
そもそも、PMとは、"お仕事管理人"というわけだから、指示待ちの仕事をしないだけで、何らかの作業を与えられた条件とチームもしくは一人で納期までに終わらせる、だけだ。

では、地球調査員として、宇宙人ジョーンズがPMだったら、彼はどんな独白をつぶやくのだろう。


地球では、火を吹かない仕事はプロジェクトとは呼ばれない。
興味深いのは、その炎は、PMだけには見えない炎だということだ。


どこの星にも偉い人はいる。
ここ地球のエライ人が興味深いのは、プロジェクトの開始の時には
「どんな支援でもするから遠慮なく言ってくれ」
という。
しかし、プロジェクトが佳境に入って火を吹き始めた時は、こちらからの連絡にはナシのつぶてだ。
地球では遠慮が大切なのだ。


プロジェクトメンバーとの飲み会は大切だ。楽しい。しかし、地球で一番喜ばれる飲み会は、会費だけ払ってPMは欠席する事だ。


地球のプロジェクトで興味深いのは、プロジェクトが崩壊してもPMは左遷されないことだ。
プロジェクトを崩壊させたPMは、より深刻な問題を抱えたプロジェクトを担当することで生き長らえるのだ。


ここ地球では、プロジェクトが計画通り終了してもPMは出世しない。
何故なら、プロジェクトを成功させたPMは、崩壊したプロジェクトを計画通りに戻すために出世させてはならないのだ。


地球調査プロジェクトに配置されて随分長い年月が経った。
毎月報告書は出しているが、、、
内容について聞かれたのは最初の一回目だけだ。


ここ地球では、報告書の提出は嫌がるのに、ブログで報告したり、つぶやいたりするのは好きらしい。

火曜日, 11月 15, 2011

宇宙人三昧



宇宙人である。SFである。
ここは素直にScience Fictionである。
缶コーヒーを飲まないし、働きもしない。

Sそんな F風な、でも、
Sさっそく F振られて、でも、
S先生 F風呂入ります、でもない。

先週末、SF系、というか宇宙人系ビデオを立て続けに見た。
いや、それは先々週だったかな。先先々週だったかな。
なぜ、そんな古い話をするのかというと、書きかけのこのメモがあったからだ。
ネットとはそういうものだ。
タイムリーとか、正確とか、正義とか、そういう事は、ケースバイケースなのだ。

で、どれぐらい立て続けかというと、タテタテタテタテタテタテぐらいである。
週末の二日間で三本(連ドラSFがあったので、確かDVD5枚)見たのだ。

だいたいが宇宙人モノっていうのは、シナリオの完成度、そして信じ込める没入感が大事なのだ。
単なる怪獣映画になるのか、「映画」という一作品1500円也を払う価値があるのか、そこを左右するのが没入感だと思わずにはいられなかった。

基本的に宇宙人モノっていうのは、
a. 前提:宇宙人が現れる際の時代状況や地理、背景などの説明
b. 導入:何からの方法や理由で宇宙人登場
c. 展開:基本的に人類側が困る、死にそうになる、危機的状況になる
d. 終息:ハッピーエンドなり一時的安堵なり、大概はハッピーエンド
っていう構成になるのだろうけど、3~4、少なくとも4辺りは、もう宇宙人がバンバン登場せざるをえないわけで、ここの完成度が余りに低いと没入感は一気にしぼむ。

また、没入感のための1~2なのだけど、ここも納得感が強くないと、3以降は、ツッコむのに疲れてしまって見続ける気力がなくなるのだ。

a前提、b導入、c展開、d終息、別にこの三本について僕なりの感想を書いてみたい。


1. Visitor→Youtubeでの紹介ビデオはこちら
これは、20年ほど前の(かなりアバウト)やつだ。
たまたま最近借りたDVDの、冒頭の宣伝に入っていて、なんか見てないシーンが気になったのだ。
よくよく考えると、そうだ、当時、テレビの連ドラとして放映するも、最期まで見ていないことを思い出した。
見始めた頃は夢中だったのに、きっと、その頃、忙しかったか何かで、後半を見ていないのだと思い返した。
この「忙しかったか何かで」が、後のナルホド納得事件に繋がるのであったが、そんな事はつゆ知らずに、前後編、確か4枚、しかも、一部両面再生のDVDもあったから、多分、6枚分ほどの量を一気に見た。

連ドラだけ合って、この手のシナリオにありがちな「いやいや、それはあり得ないでしょ」というツッコミが無いように、周到に前提の解説シーンが続く。
特に最初は、正体を明かさずにジワジワと恐怖を積み上げていく、なかなか、秀逸な出来。
当時、夢中になったのも無理は無い。前半は実に面白いのだ。

そして、後半に入り、確かに、見ていないストーリーに入っていく。
うーむ、何がスタッフに起きたのか、ヤッつけな感じの展開。っていうか、ただのB級怪獣映画になってきた。

そうかぁ。当時もこれで後半は見てなかったのか。
そして、「後半のシーンを断片的に見せるCM」は、20年経った今、とても有効だということに気が付かされたのでした。

途中からつまらなくなったコンテンツを売り込む作戦、に、まんまとしてやられたのでした。

a. 前提、○ 腹黒い宇宙人が人類に優しく微笑んで近づいてくる。絶対的な技術的優位を持った強い側の優しい(人の良い)アプローチに受け入れる人間側の対応はよく出来ている。
そんないい話はあり得ないんだけど、個人的な欲を満たすために、嘘だとわかっていながら同意する、のは人間社会ではよくある話だ。

b. 導入、△ 20年前のテレビドラマだから致し方ないのかもしれないが、断片的な宇宙人の姿が顕になるにつれて、どうにもこうにもオモチャ的な感じになっていく。
ただ、かろうじて前述の1がよく出来ている分、ここまでは見るに耐える。

c. 展開、× シナリオ破綻への道。宇宙人と人間は、姿以外に何の違いもなく描かれている。もはや、単なる政治闘争かなんかのシナリオのまんま。

d. 終息、× うーん。安直。そりゃあ、当時、連ドラでは見てないわけだ。

2. 第九地区→Youtubeはこちら
これは割りと最近のビデオ。
これは面白かった。今流行り?の、家庭用ビデオで撮った映像やテレビ番組の映像を組み合わせた臨場感溢れるイントロで、シナリオへ一気に没入できる。
そもそもDVD最初のメニュー画面も「本編再生」を押した後の気の利いたポーズ画面や、制作側の遊び心と、この作品への愛情が感じられた。

a. 前提、最初の10分あまりで、NHKのドキュメンタリー番組を早送りのように一気に見せられる。
その中で、とりあえず、「超大変じゃん」は十二分に伝わってきます。
そして、ここが良くできた映画だと思うんだけど、劇中の登場人物たちに共感させられます。
(この段階での共感が、計算されたシナリオで裏切られていく過程が楽しい。)

b. 導入、c. 展開、
最初から宇宙人ありきの設定なので、この辺りは一気に進みます。
さすがに今のCGはよく出来ている。
前半のドキュメンタリータッチでは無くなっていることにも気が付かず、もう、ストーリーに完全に入って見入っていました。

d. 終息、第十地区が楽しみなエンディング。うーむ、やられた。早く次が観たい!


3. スカイライン(征服)→Youtubeはこちら
TSUTAYAだけで借りられるというビデオ。何の前情報もなく、ただ、なんでスカイラインっていうタイトルなのかだけ気になって借りた。今回借りたうちで一番予定になかったやつ。
これはねぇ、いいよ。うん。深くないけど楽しめる。
第9地区>>スカイライン>>>>>>>>>>>>>>>>>>ビジター、って感じかな。

没入感のための「前提や背景の説明」なんだけど、この映画は、「えーっい、面倒だ。そんな事なら、一切説明抜きでやってやるぜーっと」っていう感じ。
もう、なにも分からないまま、主人公たちとアタフタさせられて、一気に最後まで観る、そんな感じ。
前半を大胆にカットしているから、いや、前半はないんだからカットでもなんでもないんだけど、とにかく、いきなりの宇宙船と宇宙人と大パニック。作品も90分余りと短め。
こういう宇宙人映画はSFではなく、ホラーに分類してもいいかもしれない。
(ホラーほど怖いわけではない。宇宙人モノはホラーと違って後を引かない所が良い。夜、一人でトイレに行けなくなるようなことはない。←これ、重要。)

a. 前提、ということで、前提も何も無い。
b. 導入、いきなりの登場と恐怖。とにかく来ちゃったんだから仕方ない、としか反応できない。
 そういう意味ではとても斬新な展開
c. 展開、基本的に大きな展開もなく、どんどん危機的状況は深刻になるばかり。
d. 終息、収束しない。かろうじて次回作への繋ぎはある。
 が、この繋ぎ部分が、a前提の説明がほとんど無いから評価しにくい。
 主役たちにもそれほど感情移入できていないから、あまり、次回が気にならないという感じ。

ということで、宇宙人モノ、なかなか面白く見させて頂きました。
宇宙人モノはお腹いっぱい。しばらくはいらないな。

※BOSSのコマーシャル、トミー・リー・ジョーンズは、既に日本の俳優なのだろうか。。。

月曜日, 11月 14, 2011

絆を充実させる習慣


多分、どこかのお金の使い方のプロが書いたのだろうお金が貯まる習慣というのがあった。
これ自体には全く興味がなかったのだけど、ふと思いついて、「お金」を「人」に置き換えてみた。

【お金が貯まる習慣】
習慣1 : 「まとまったお金」は十分貯金とみなす
習慣2 : 小銭でもお金として大切にする
習慣3 : お金の使い方にメリハリがある
習慣4 : ATMで何度もお金を下ろさない
習慣5 : 財布の使い方がキレイ
習慣6 : ライフプランにあわせた貯蓄をしている
習慣7 : 不意の出費に備えた資金計画を立てている
「お金に対して丁寧に向き合う」ことが大前提
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/11/01/014/?rt=m&t=o&n=3339

【絆(人間関係)を充実させる習慣】
習慣1 : 「まとまった人間関係」は十分"絆"(きずな)とみなす
習慣2 : ちょっとした人間関係でも"絆"として大切にする
習慣3 : 人との付き合い方にメリハリがある
習慣4 : SNSなどで何度も"絆"を作らない
習慣5 : 住所録の使い方がキレイ
習慣6 : ライフプランにあわせた"絆"を持っている
習慣7 : 不意の出来事に備えた人間関係を持っている
「人に対して丁寧に向き合う」ことが大前提

通常は、人付き合いが0でも、お金が0だと生きていけない。
でも、この「通常」は、「非常」には通用しない。
非常時には、人付き合いが0では生きていけない。お金は無意味化するのだ。

非常時は、やたら増えてきている。
下図は内閣府(http://www.bousai.go.jp/)発表の「世界の自然災害の状況」グラフである。



宝くじ当たらないかな~←結局、そこ。

※ハミ出し
 某、班目原子力安全委員長の、「(困難と思われている)原発立地の場所は、結局、金で買えるのだから何ら困難ではない」というような趣旨のことを、原発事故前にテレビに語っていた。そんな事を思い出した。

土曜日, 11月 12, 2011

シースルーモバイルHMD


出ました。HMD新作。
ンニーが席巻しそうな勢いだったHMDに、あのEPSONがやってきました。
しかもシースルーです。モバイルです。

そこのオジサン!シースルーですよ。
もう、何もかもがシースルーに見えるかのような響き。

シースルーモバイルヘッドマウントディスプレイ。
コントローラーはandroid2.2らしいです。
アンドロイドツーポイントツーコントローラー付シースルーヘッドマウントディスプレイ。
もう、カタカナ塊レベル最強です。

しかも、プロモーションキャラクターは黒木メイサさん。
メイサがプロモーションキャラクターのアンドロイドツーポイントツーコントローラー付シースルーヘッドマウントディスプレイなのです。
※読むのは面倒くさいけど、こうやって、キーボードで打ち込むのはカンタン。


価格もンニー製とほぼ同等。
解像度は落ちるみたいですが、まぁ、シースルーだから、単純比較は出来ません。

ということで、例の光スキャナも出てきたことだし、仮想現実感の実現に世の中は動いているのは間違いありません。



さて、興味ある、「没入感」なのですが、ンニー製がシースルーではなく視界を全て塞ぐため、没入感がある、と思われますが、よくよく考えてみれば、シースルーHMD(カタカナ略)は、単に、部屋を暗くすれば同じ状態になるわけで、最近パラパラ出てきたンニー製試用レポートで指摘されていた「視界を塞ぐのはアリかナシか」問題は、なんとなく、視界を塞ぐのは無しになるような気がしてきます。
完全に外界の視界を塞いでしまうと、家で映画を見ながらコーヒーを飲んだりなどのチョットした制約がツライのは間違いありません。ま、ゲームならいいかもしれません。

まだ発展途上のHMD市場。まずは、市場を確立してもらって、競合製品がいくつも出てくるかどうか。
没入感も、シースルー度合いを調整できれば良いわけで、ボーイング787でも採用された電子カーテン?的に、透明度を調整できると使いやすそうです。

XBOXが普及させたテレビゲーム+モーションキャプチャにHMDを組み合わせても面白そう。
キャプチャーした人をアニメキャラに置き換えるぐらいは既にできるけど、あくまでテレビ画面上で実現されているだけ。でも、HMDと組み合わせれば、目の前にいる人そのものをアニメキャラに置き換えられる。
と、僕が思いつくぐらいだから、既にやってる人がいるわけで、探してみたらこんな動画があった。


自分がアニメキャラになりたいとは思わなかったけど、これって、夫婦でブラピとアンジェリーナ・ジョリーになってみるとか、できちゃうよなぁ。あるいは、亡くなった人ともう一度会うような(感覚になる)事とか、あぁ、最近はあまり噂を聞かない「Second Life」でも、活用されていきそうだなぁ。
他人の視点に入り込むことで、その人の生活を体験できるなんて辺りは、もう、直ぐにでもできちゃうわけだ。
映画"マルコビッチの穴"は映画だけの奇想天外な話ではなくて、もう、今直ぐにでもできちゃう。

うーん、その意味や意義はわからないけど、そういうことに惹かれるのは、究極的には人は自分の遺伝子を複製するために生まれてくるわけで、ヒトの特性なのかもしれない。
とはいえ、前にも書いたけど、最高の仮想現実感は、今、まさに体感している"現実"なんだけどね。

仮想現実を使った洋服の試着シーンの、理想と現実。
●理想

●現実