火曜日, 11月 29, 2011

映画「地球に優しい生活」


原題は「No Impact Man」。主人公のサイトはこちら。
http://noimpactman.typepad.com/


この映画、正直、期待していなかった。アメリカ映画だし。
エコブームに乗った、「はいはい。わかりました。よくできました。」的な醒めた感覚になるような映画なんだろうなと思っていた。

で、観てみたら、まぁ、あなた、ねぇ、割りといけてるのよ。と、オバサンモードになるような良作。

映画、というより、良質のドキュメンタリー、あ、それはそれで映画か。
古き良きテレビ番組、以前の、新日本紀行的な淡々としたノリです。

作家を生業とする主人公が、家族と共に「エコな生活にチャレンジしてみよう」と思い立つところから物語はスタートします。
ここのところが、良い意味でアメリカ的で、「注目をあびるかも」や「作家として次の作品に活かせるかも」というような見ようによっては腹黒い部分もスッキリ吐露しつつのスタート。
注目も浴びたし、次の作品にも活かされたわけだけど、面白いのは、主人公一家が「特殊なことをして目立つ」という、どこか気負った意識が、映画の後半では、「こういう生き方がむしろ普通だよねぇ」的な感覚に変わっていくところだ。

家族構成は、奥さんと一人娘。子供はまだ3歳なので、事実上、巻き込まれて迷惑を感じるのは奥さん。
「環境に悪影響を及ぼさない」意味を考え、電車や車の移動を自転車にしたり、外食を止めたり、そんなところからスタートします。
一年と期限を切ってのスタートなので、開始前日に大量に洋服を買い込む奥さん。
気持ちはわかります。「食料以外は新たに買わない」のが最初のルールだから。

そんな感じで、まぁ、最初のうちは、「買い置き」もあるわけで、チョット不便、ぐらいのノリです。
想定内で楽しむ余裕がある。

テレビを捨て(リサイクルショップに持ち込む)、洋服を捨て、食料は200Km圏内でとれたものしか買わない。結果、地元の市場でしか買わない。
ミミズを買い込んで生ゴミは全て家庭内で処理する、と、だんだん本格化していきます。

そして、紙オムツ無し、トイレットペーパー無し(布を利用)、洗剤/石鹸無し(自家製に切り替え)、洗濯機を使わない(風呂桶で洗濯)、、、、そして3カ月後にはいよいよ電気を遮断し、太陽光発電パネル一枚でブログ更新だけはなんとか続けます。


一年かけて、四季を越えながら、一つ一つハードルを乗り越え、その都度、普通の不便さを感じ、その不便さを乗り越える楽しみを覚え、そこにニューヨークのど真ん中に住んでいても感じられる「自然」を満喫するようになっていく。
最後には、その全てが「当たり前」に変わっていく。
その過程は、見ているだけでも、とても楽しいものでした。

そう、今だって、普通に電気がなかったり、スーパーが無い地域でも人は暮らしいてるわけだし。

気になった/興味深かったこと
☆子供は柔軟
 夫婦ともに少なからず慣れるまでの間は「不便に対するストレス」がある。
 でも、三歳の女の子は、終始、楽しそうに環境変化に合わせていることでした。あっという間に順応する。
★旧態依然を守りたい陣営の嫉妬
 彼がそんな生活を始めて脚光を浴びているからか、彼や家族に嫌がらせがあったことには驚いた。
 こんな小さなイノベーション(かどうかもわからない実験)にも面白くないと感じる人達がいるんだなぁ。
 資本主義恐るべし。



↑いずれもお金を出して買わなければ手に入らない本達。:-P

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