火曜日, 11月 15, 2011

宇宙人三昧



宇宙人である。SFである。
ここは素直にScience Fictionである。
缶コーヒーを飲まないし、働きもしない。

Sそんな F風な、でも、
Sさっそく F振られて、でも、
S先生 F風呂入ります、でもない。

先週末、SF系、というか宇宙人系ビデオを立て続けに見た。
いや、それは先々週だったかな。先先々週だったかな。
なぜ、そんな古い話をするのかというと、書きかけのこのメモがあったからだ。
ネットとはそういうものだ。
タイムリーとか、正確とか、正義とか、そういう事は、ケースバイケースなのだ。

で、どれぐらい立て続けかというと、タテタテタテタテタテタテぐらいである。
週末の二日間で三本(連ドラSFがあったので、確かDVD5枚)見たのだ。

だいたいが宇宙人モノっていうのは、シナリオの完成度、そして信じ込める没入感が大事なのだ。
単なる怪獣映画になるのか、「映画」という一作品1500円也を払う価値があるのか、そこを左右するのが没入感だと思わずにはいられなかった。

基本的に宇宙人モノっていうのは、
a. 前提:宇宙人が現れる際の時代状況や地理、背景などの説明
b. 導入:何からの方法や理由で宇宙人登場
c. 展開:基本的に人類側が困る、死にそうになる、危機的状況になる
d. 終息:ハッピーエンドなり一時的安堵なり、大概はハッピーエンド
っていう構成になるのだろうけど、3~4、少なくとも4辺りは、もう宇宙人がバンバン登場せざるをえないわけで、ここの完成度が余りに低いと没入感は一気にしぼむ。

また、没入感のための1~2なのだけど、ここも納得感が強くないと、3以降は、ツッコむのに疲れてしまって見続ける気力がなくなるのだ。

a前提、b導入、c展開、d終息、別にこの三本について僕なりの感想を書いてみたい。


1. Visitor→Youtubeでの紹介ビデオはこちら
これは、20年ほど前の(かなりアバウト)やつだ。
たまたま最近借りたDVDの、冒頭の宣伝に入っていて、なんか見てないシーンが気になったのだ。
よくよく考えると、そうだ、当時、テレビの連ドラとして放映するも、最期まで見ていないことを思い出した。
見始めた頃は夢中だったのに、きっと、その頃、忙しかったか何かで、後半を見ていないのだと思い返した。
この「忙しかったか何かで」が、後のナルホド納得事件に繋がるのであったが、そんな事はつゆ知らずに、前後編、確か4枚、しかも、一部両面再生のDVDもあったから、多分、6枚分ほどの量を一気に見た。

連ドラだけ合って、この手のシナリオにありがちな「いやいや、それはあり得ないでしょ」というツッコミが無いように、周到に前提の解説シーンが続く。
特に最初は、正体を明かさずにジワジワと恐怖を積み上げていく、なかなか、秀逸な出来。
当時、夢中になったのも無理は無い。前半は実に面白いのだ。

そして、後半に入り、確かに、見ていないストーリーに入っていく。
うーむ、何がスタッフに起きたのか、ヤッつけな感じの展開。っていうか、ただのB級怪獣映画になってきた。

そうかぁ。当時もこれで後半は見てなかったのか。
そして、「後半のシーンを断片的に見せるCM」は、20年経った今、とても有効だということに気が付かされたのでした。

途中からつまらなくなったコンテンツを売り込む作戦、に、まんまとしてやられたのでした。

a. 前提、○ 腹黒い宇宙人が人類に優しく微笑んで近づいてくる。絶対的な技術的優位を持った強い側の優しい(人の良い)アプローチに受け入れる人間側の対応はよく出来ている。
そんないい話はあり得ないんだけど、個人的な欲を満たすために、嘘だとわかっていながら同意する、のは人間社会ではよくある話だ。

b. 導入、△ 20年前のテレビドラマだから致し方ないのかもしれないが、断片的な宇宙人の姿が顕になるにつれて、どうにもこうにもオモチャ的な感じになっていく。
ただ、かろうじて前述の1がよく出来ている分、ここまでは見るに耐える。

c. 展開、× シナリオ破綻への道。宇宙人と人間は、姿以外に何の違いもなく描かれている。もはや、単なる政治闘争かなんかのシナリオのまんま。

d. 終息、× うーん。安直。そりゃあ、当時、連ドラでは見てないわけだ。

2. 第九地区→Youtubeはこちら
これは割りと最近のビデオ。
これは面白かった。今流行り?の、家庭用ビデオで撮った映像やテレビ番組の映像を組み合わせた臨場感溢れるイントロで、シナリオへ一気に没入できる。
そもそもDVD最初のメニュー画面も「本編再生」を押した後の気の利いたポーズ画面や、制作側の遊び心と、この作品への愛情が感じられた。

a. 前提、最初の10分あまりで、NHKのドキュメンタリー番組を早送りのように一気に見せられる。
その中で、とりあえず、「超大変じゃん」は十二分に伝わってきます。
そして、ここが良くできた映画だと思うんだけど、劇中の登場人物たちに共感させられます。
(この段階での共感が、計算されたシナリオで裏切られていく過程が楽しい。)

b. 導入、c. 展開、
最初から宇宙人ありきの設定なので、この辺りは一気に進みます。
さすがに今のCGはよく出来ている。
前半のドキュメンタリータッチでは無くなっていることにも気が付かず、もう、ストーリーに完全に入って見入っていました。

d. 終息、第十地区が楽しみなエンディング。うーむ、やられた。早く次が観たい!


3. スカイライン(征服)→Youtubeはこちら
TSUTAYAだけで借りられるというビデオ。何の前情報もなく、ただ、なんでスカイラインっていうタイトルなのかだけ気になって借りた。今回借りたうちで一番予定になかったやつ。
これはねぇ、いいよ。うん。深くないけど楽しめる。
第9地区>>スカイライン>>>>>>>>>>>>>>>>>>ビジター、って感じかな。

没入感のための「前提や背景の説明」なんだけど、この映画は、「えーっい、面倒だ。そんな事なら、一切説明抜きでやってやるぜーっと」っていう感じ。
もう、なにも分からないまま、主人公たちとアタフタさせられて、一気に最後まで観る、そんな感じ。
前半を大胆にカットしているから、いや、前半はないんだからカットでもなんでもないんだけど、とにかく、いきなりの宇宙船と宇宙人と大パニック。作品も90分余りと短め。
こういう宇宙人映画はSFではなく、ホラーに分類してもいいかもしれない。
(ホラーほど怖いわけではない。宇宙人モノはホラーと違って後を引かない所が良い。夜、一人でトイレに行けなくなるようなことはない。←これ、重要。)

a. 前提、ということで、前提も何も無い。
b. 導入、いきなりの登場と恐怖。とにかく来ちゃったんだから仕方ない、としか反応できない。
 そういう意味ではとても斬新な展開
c. 展開、基本的に大きな展開もなく、どんどん危機的状況は深刻になるばかり。
d. 終息、収束しない。かろうじて次回作への繋ぎはある。
 が、この繋ぎ部分が、a前提の説明がほとんど無いから評価しにくい。
 主役たちにもそれほど感情移入できていないから、あまり、次回が気にならないという感じ。

ということで、宇宙人モノ、なかなか面白く見させて頂きました。
宇宙人モノはお腹いっぱい。しばらくはいらないな。

※BOSSのコマーシャル、トミー・リー・ジョーンズは、既に日本の俳優なのだろうか。。。

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