月曜日, 9月 26, 2011

サルでもわかる"文化"の説明



日本文化、地域文化、企業文化、組織文化。。。。
文化の融合、文化の違い、文化摩擦、、、

なあんて、カンタンに「文化」という言葉を使っているけど、じゃあ「文化って何?」と聞かれると答えに窮する人が多いのではないだろうか。
少なくとも私はそうだった。

Wikipediaでも、「人間が社会の成員として獲得する振る舞いの複合された総体のことである。」なあんて、読まなきゃ良かったと思うような解説っぷりだ。

そんな僕にもわかる、五匹のサルの実験、という話がある。
これを聞いて、僕の中の文化に対する何かが変わったので書き留めておく。

まず、この話、何処かの誰かの実験結果らしいのだけど、いつ/誰の実験なのか確認できなかったので、まずは、寓話かもしれないとお断りしておこう。
サル周辺には寓話も多いのだ。
100匹のサルという、実しやかに喧伝されている話は、どうも、話し手や聞き手の期待が込められた寓話みたいだ。

話戻って五匹のサル。
この話、それにしても、文化が何ぞや、を理解するには、良くできた話だ。

この話とは、
①文化の発端(学習フェーズ)
・五匹のサルの檻の真ん中に、天井からバナナを吊るす(飛び上がっても届かない)
・続いて檻の真ん中にテーブルを置いてあげる(テーブルに乗って飛び上がれば届く)
・しばらくすると五匹のうちの一匹がテーブルに乗って飛びつこうとする
・バナナに手が届きそうになるとテーブルのサル目掛けて冷水が浴びせられる
・サルは驚いてテーブルから飛び降り離れる。
・時間をおいて他のサルもチャレンジするが、やはり、水を浴びせられ断念する

②定着フェーズ
・なんどか代わる代わるチャレンジするが、やはり、水を浴びせられ断念する
・とうとうと、誰もチャレンジしなくなる

③事実の伝達フェーズ
・五匹のサルのうち一匹を他の檻のサルと交代させる(冷水事件を知らないサルが加わる)
・新たに加わったサルがバナナを取りにテーブルに近づこうとすると、他の四匹のサルが、激しく引き止め諦めさせる
・しばらくしたら、元々いた四匹のうちの一匹を他の檻のサルと交代させる(冷水事件を知らないサルが二匹になる)
・やはり、新たに加わったサルがバナナを取りにテーブルに近づこうとすると、他の四匹のサルが、激しく引き止め諦めさせる
・同じように元々いたサルを一匹ずつ交代させていく。
・とうとう、最初の冷水事件を知らないサルだけ五匹になる。

④文化としての継承フェーズ
・とうとう、最初の冷水事件を知らないサルだけ五匹になり、その一匹を、やはり他の檻の冷水事件を知らないサルと交代させる。
・やはり、新たに加わったサルがバナナを取りにテーブルに近づこうとすると、他の四匹のサルが、激しく引き止め諦めさせる

面白い。
最後は、誰も冷水のことは知らないのに、あのバナナにはチャレンジしないのがその群れの文化となっている。
事実はどうであれ守ろうとしてしまうのが文化なのだ。事実は変化しても、だ。
※あくまで、文化の一面を言っています。


サルとは違う人間の世界。
変革を望む組織のうち変革に成功する確率、という事を丹念に調査した結果がある。

成功の確率は10%程度なんだそうだ。
ま、概ね、「変革はできない」ということだ。

変革したくない行動を取り続けながら「変革したい」なんていう話はゴマンとある。
これが上位のマネジメントだと厄介だ。
変革したくない行動を取り続けながら「変革が進んでいない!」なんて、成果が見込まれない仕事が降ってきたりすることも少なくない。

興味深いのは、「変革のためにしてはいけないこと」も「変革へのステップ」も、充分に研究されているのに、90%の組織で変革は失敗する。
一方で、成功する10%の多くは、そんな研究など知らずに成功しているのだ。
要するに本気かどうか、なのだろう。

実績のある方法も、成果の出ている研究結果も、90%の組織では実践されない。
同様に10%の組織では、無意識的に、必然的に、同じような成功プロセスをたどるのだ。

事実や理屈ではない、それこそ文化が文化たる所以だ。

※ハミ出し
 じゃあ、成功した10%の共通点は、何はなくとも最初に「危機感を共有」したのだそうだ。
 VISIONなんか後回し、でいいらしい。まずは、危機感、なのだそうだ。
 五匹のサルだって、餌が、吊るされたバナナだけになれば、万難を排してチャレンジしただろう。納得。

↓変革について詳しい本。

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