母がまだ子供だった頃、今から60年ほど前、母の実家は山奥だったこともあり、海は話に聞くだけの遠い存在、海の魚は行商のオジサンが運んでくる貴重品、だったのだそうだ。
で、学校で「海の生き物」を聞かれたときに「カマボコ」と答えたそうだ。
本気で、板にくっついたあの形状のまま海で泳いでいる魚なのだと信じていたらしい。
母曰く、「魚やさんで並んでいるまま泳いでいるもんだと思っていた」と。
じゃあ、開きになった干物は?縄を口に通した新巻鮭は?と、湧き出る質問を抑えこみ、「竹輪はどうだと思ってたの?」と聞くと、母は、
「あのまんま泳いでると思ったわよ。カマボコより泳ぎが上手いだろうって思ってたわよ」
なるほど。
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