木曜日, 8月 11, 2011

からくり人形


先日、テレビで昔のからくり人形を紹介していた。
あの、日本人形が、スルスルと動き、お茶を運んで持ってくるやつとか、
同じく日本人形が矢を取り、弓を引きながら狙い定める微妙な頭の動きと共に矢を放つ、そんなやつ。

100年以上前のからくりが、今も、そうやって動くこと事態、相当丁寧にメンテナンスしてあるのだろう。

話変わって、最近急速に個人的に興味のある「チームビルディング」。
言葉にするのが大変難しいのだけど、僕のイメージはこうだ。

まず、チーム。
一人一人がいろんな素材の軸、軸受、歯車で構成され、チーム全体がギアボックスとなって、最終的な「チームの歯車」を回していく。
チーム全体のやや大きな歯車は、他のチームの歯車と連動し、それ全体が大きなギアボックスになって、「組織全体」の力として外に力を伝えていく。

個々人からチーム、組織、そして、社会へとその歯車やギアボックスはより大きな歯車やギアボックスに力を伝え合っている。
とても複雑で、実に美しい歯車のイメージだ。

企業のギアボックスから飛び出ている歯車は、なかなか強力だ。
硬い鉄、いや、企業によっては、強固なチタン製の歯車。
これが、ガシガシと強力に他の企業や社会へとつながる歯車達を回していく。

よく見ると、同じように他の企業や社会へと繋がっている大きなギアボックスが他にもたくさんある。
あるものは、立派なチタンの歯車なのに、回転はとてもゆっくりだ。
あるものは、ところどころ欠けている木の歯車だけど、なかなかスムーズに回っている。

その中から、一つのギアボックスを開けてみる。
事業部ギアボックスや○○部ギアボックスが複雑に接続している中に、小さめの「チーム」ギアボックスがある。

「チーム」ギアボックスを開けてみる。
ようやく、一人一人個々人の歯車が顔を見せる。

個々人の歯車となると、一気に、バラエティに富んだ様相を呈する。
軸も様々だ。
樹の枝がそのまま軸になっていたり、向こうの軸はストローみたいな筒になっている。
とりあえず、軸受には収まっているものの、歯車も様々だ。
大体が、歯車らしい形ではない。
どうにかこうにか、隣の歯車らしいモノに接触している。
柔らかいスポンジ様の歯車が見える。おっと、これは、隣の固い真四角の歯車を撫でてるだけだ。
軸受がすっかり斜めに傾いて、どの歯車にも接触せずに空回りしている歯車もある。

そんなイメージ。

歯車やギアボックスならイメージしやすい。

普段は油をさすぐらいで良いかもしれないが、定期的に、全体のメンテナンスが必要だ。
全ての歯車を外し、軸受の向きを直し、必要なら歯の補修をして、元の位置に丁寧にセットする。

チーム全体のスピードや力の向きを変えるなら尚更だ。
必要に応じて、歯車の大きさを変えたり、軸の向きを調整したり、調整の後は、慣らし運転だって必要になる。

そんな風にチームや組織の様子が歯車に見えたらいいのに。

先の古いからくり人形が今も動くのは丁寧なメンテナンスはもちろん、誰かが愛情を持って維持管理しているのだろう。
油もドライバーも持たずに、乱暴にボックスを叩くしか脳のない人を、エンジニアとは呼ばない。叩くだけならサルでもできる。

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