金曜日, 3月 18, 2011

「したいこと」「すべきこと」「してること」


↑は、Zappos Culture Bookの紹介。
詳しくはhttp://ashcan-s.com/?p=100


さて、Zapposを読んでの気づき。

人も組織も、結局、「今していること」が「すべきこと」あるいは「したいこと」だと思い込みやすい。
物事を白紙で考え直す、というのは困難なのだ。

「したいこと」を主張する若者に対し、「したいこと」と「すべきこと」は違うだろ、子供みたいなこと言ってるんじゃない、とかしたり顔で説教する退職カウントダウンの管理職。
たとえ「したいこと」が我侭だとしても、その深層にこそイノベーションのヒントが隠れているというのに。

そうやって、我侭や文句も、時間の経過と共に諦め、慣れ、惰性となり、いつの日か「今していること」が「したいこと」になってしまう。
あの時若者だった人が、今は、若者の我侭に説教する管理職や煩い先輩になるわけだ。

「したいこと」を実現して「今していること」になったわけではない。
「したいこと」を忘れ、惰性のまま「今していること」が「したいこと」だったと思い込んでしまうのだ。

よく言われる選択と集中は、「したいこと」の追求の先にあるのではないか?
「したいこと」を追求すると「シタクナイコト」も明らかになる。
「したいこと」を追求すると「デキテイナイコト」も明らかになる。
「したいこと」を追求すると「ドウシタラデキルカ」を考えるようになる。

Zapposは、「したいこと」の一つに「変化」を加えている。正確には「感動のサービスを実現するためには柔軟でなければならない」ということ。サービスはルーチンワーク化した時点で、ジワジワと満足度を下げていくのだ。

そんなわけで、彼らなりに徹底的に「変化を妨げるもの」について具体的な行動をとっている。

その中で特徴的なものが、入社の条件だ。
彼ら独自の入社面談の中で、変化を妨げそうだと判定された人はどんなに優秀であっても入社できない。
また、入社後の試用期間中にそれが判明した場合、退職金を支払って入社を拒む。
ちなみに、試用期間中には、ファイナンスのプロだろうがなんだろうが、必ず彼らのコアビジネス「(靴のインターネット販売の)コールセンター」業務を経験させるのだそうだ。

「300年は持続するための企業文化」を全社員で考えた末の彼らの辿り着いた答えなのだ。
(時間をかけ、真剣に、全社員で考え意見を出し合い納得して辿りついているのが素晴らしい。)

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