火曜日, 2月 07, 2012

ペンギンの集団に豚


先日、身内の結婚式があった。
招待状を直接頂いたので、その際に本人に確認したときも、「いや、できるだけ堅くない会にしたいので平服で」という話だった。

で、先日、行きましたよ。平服で。

で、まぁ、僕には予想外、周囲には予想通りの事態が。

まず最初に通されたのはチャペル。
え?式は聞いてないけど、、、と思いつつ、促されるままチャペルの中へ。

一人だけ平服でチャペルに立つと、なんか僕だけ炊き出しに並んでいるような妙な感じだ。
なぜか、牧師さんの微笑みを見るのが辛い。

儀式を終え、その"会"の会場へ。
南極の氷のように真っ白なテーブルクロスを囲むペンギン(フォーマルなスーツ姿)の皆々様。
そして、なぜか、新郎新婦の真正面、お誕生席に平服の僕。
「平服って言ったじゃーん。僕だけなんでー。ブーブー。」
かろうじて平服がピンクで無かったとはいえ、ペンギンの集団にポツンと豚な状況になった。

そもそも僕の頭の中の"きちんと度ランキング"はこんな感じだ。
会社>普段着
通常はこれしかない。

たまに、本当に滅多に無いのだけど、会社で大切なお客様とお会いする、とか、を考慮すると、
会社(フ)>会社>普段着
だ。
※(フ)はフォーマルの略。ネクタイとスーツと革靴が揃うと"会社(フ)"になる。

これに、ごくたまの結婚式なんかを書き加えると、
フォーマル>会社(フ)>会社>普段着
となる。

"フォーマル"と"会社(フ)"の違いは、ネクタイの色とか、そんな程度だ。
昨今の会社におけるカジュアル化のおかげで、普段着と会社の境界は限りなく縮んだ。
普段着で会社に行ってもバレないのではないか?と、誘惑に駆られる事もよくある。

***
話がそれるが、ここ数年、僕の全ての衣類は縮み続けている。
身体が膨らみ続けているという説もあるがこれはオカシイ。そんな馬鹿な話はない。
何故なら自分の身体が膨らむところを僕は見たことがない。
あるいは、誰か、僕の身体がプーーーーッと膨らむところをみかけたとでも言うのか?

一方、洋服が縮むところは見たことがある。
洗濯機を通過して再登場すれば縮むし、毛糸のセーターなどは毛玉が取れるわけだから、なにかしら質量は減る一方だ。
洋服は縮む一方なのだ。間違いない。

全ての衣類が縮み続けているは、この二つの事実から、正しいのだ。
***

ちょっと興奮してしまった。話を戻そう。
で、今回、"平服"という新たな設定が入ってきた。

僕も何も考えていないわけではない。何はともあれ50絡みのオジサンなのだ。
"平服"という、あまり日常使わない用語を目にして、ちゃんとランキングを考えた。
(そもそも、一直線上のランキングでしか身なりを考えられないのはどうなのだろう。。)

フォーマル>>>>会社>平服・普段着
いやいや、そんな言葉通りの意味で考えるほど浅はかではない。
もうすぐ50歳になろうとしているのだ。

さらによくよくよく熟考して、このように書き換えた。

フォーマル>会社(フ)>平服>会社>普段着

どうだ。完璧だ。


平服だから前日移動に、もう、その格好で移動できる。
新幹線に乗っても、「あの人、平服ね」と思われても「あの人、これから結婚式ね」なんて思われないのだ。

前日には、ほぼ出席する格好で知人に会った。その時も、
「なんか、いつもと違ってきちんとしているじゃん」
という評価だったのだ。

そりゃそうだ。
普段着より二段階もランクが上なのだ。
普段着ならサンダルのところを、きちんと、靴下に加え、防寒靴を履いているのだ。

平服をわきまえた50絡みのオジサンなのだ。

なのにペンギンとぶたになってしまったわけだ。

なぜだ。

そもそも平服ってなんだ?と思いググッてみた。
平服とは「普段着」のことだ。間違っていない。

が、よくよく読み進めると、平服とはいえ「結婚式」なのだとしたら、それなりの平服でなければならないのだそうだ。
紋付袴のところをスーツにする、ぐらいの感覚が一般的らしい。

Q&Aサイト、オールアバウトに全然アバウトではなくはっきり書いてあった。
そんなにはっきり書くなら、オールクリアにサイト名を変えて欲しいところだ。

http://allabout.co.jp/gm/gc/225375/

[AllAboutの抜粋]
親戚や年配の人が多いパーティなら、いくら平服でとはいっても、みんなそれなりの格好をしてくるでしようから、あんまり砕けすぎた服装は禁物。。。中略
反対に、友人はじめ若い世代が多いパーティであれば、少しカジュアルダウンしても大丈夫。男性ならノーネクタイでもよいのでは?


。。。そうだったのか。
要するに、"平服"とは、絶対的な基準があるわけではなくイベント内容や地域、場所などを勘案し、相対的に決まっていくということのようだ。

うーむ。
たしかに、年配の人が少なくなかった。というか、僕が年配なわけだし。

さらにもう一つ気がついた。
どうも僕の普段着がオカシイ、ということだ。
平服、という若干の緊張によって、僕の平服は普通の人の「普段着」になったらしい。

今後は、"平服で"と言われたら、"平服の平服"を考えねばならない。
なんだかバカボンのパパみたいだが、そういうことだ。
「普段着の平服は、平服の平服なのだ。それでイイノダ。」

ということで、普段着がボロ過ぎる点について自覚せよ、と学んだのでした。
なんにせよ、結婚したお二人はお幸せに。

※はみ出し
 昔、やはりカジュアル化の進む職場で、何故か僕が「新卒者向け会社説明」をやるハメになったことがある。
 この時、「スーツ着用のこと」と指示されたのだが、その指示書には、丁寧に、「間違ってもウェットスーツではありませんから」と注意書きがされていた。
 フォーマル関係については、昔から疎いらしい。

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