水曜日, 2月 15, 2012

円形脱毛ができる幸福



もう3ヶ月にもなろうか。
突如発生した僕の右側頭部の直径5cmの円形の空白地帯。
どこかしら抜けているようだった頭の中身は外からは分からない。
が、頭の外見の抜けは、ハッキリ分かる。
僕は「あぁ、あの坊主で円形ハゲの人ね」という人物となった。

そもそも、坊主というのがややこしい。
多分、霊験あらたかな宗教関係者と区別するためか、単に面倒なのか、たまに坊主自体もハゲとされる。
関西風では「ハゲ散らかしてんなー」となる。

そうなると、坊主でハゲができると、「ハゲにハゲ」という事だ。
ハゲ散らかしてる上に丸いハゲができる、そういう状況だ。

ま、いずれ50絡みのオジサンの外見の話だ。
しかも、穴が開いたわけではない。
ちゃんと蓋はされている。
いきなり脳みそが見えたりはしていない。

帽子をかぶっていない時、そのポッカリ空いた部分に風が当たると、なんだか穴が開いている様な気分にはなる。
それから、ついつい、直径5cmの部分を指で触ってしまう。
頭皮を直接触るのは気持いいのだ。温かい。
ちなみにスキンヘッドはさらに気持ちいい。手のひら全体で気持いい。

で、この円形脱毛話を、遠く離れている何人かの同僚にメールした。
「河童になっちゃいました。直径5cmの皿出現。」

彼らの返信は、直径5cmぐらいでガタガタ言うもんじゃないよ、的な貫禄の反応だった。
なぜ貫禄の反応なのか?
っていうか、メールの本題にはほとんど食いつかず、「そっち!?」的な反応だったのだ。

"同僚"と書いたが、彼らは大先輩。
多分、僕の7、8歳ぐらい先輩か。

なるほど、確かに彼らには半年?ほど会っていない。
彼らは、この冬の豪雪で、頭部における額(ひたい)占有率が既に50%を超えているのかもしれない。
あるいは、僕にはそんな素振りも見せず、頭頂部円形脱毛症に悩んでいたのかもしれない。

僕としたことがずいぶん失礼なメールを送ったものだ。
触れてはならなかったのかもしれない。

直径5cmなんてまさに"屁の河童"だというのはそういう事だったのが。

そもそも円形脱毛が出来るということは、僕はまだ、その円形が不自然だと認識できる程度の頭髪を保持している、ということだ。
これは、50絡みのオジサンにおける「腹筋50回楽勝ですよ」とか「片手腕立て伏せなら任せてください」とかに通じる快挙なのかもしれない。
これは、僕は手放しで喜んでも良い事かもしれない!。

などと、大先輩方々の頭部を想像しながらニヤニヤしていたのでした。

持つべきものは(こんな失礼な後輩を許してくれる)先輩だな。

※教訓※
髪の話題は神にしかしてはならない。

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