水曜日, 2月 01, 2012

"暗号解読"トピックス 「コンピューターの父と暗号」



20数年前、この業界に入った頃に耳に残っている「コンピューターの歴史上の人物」がいる。
その二人が「暗号解読」でも登場し、スーパースター的な活躍をしていた。

・チャールズ・バベッジ(1791-1871)
 "階差機関"という言葉をかろうじて覚えていた、それを作った人。「コンピューターの父」と呼ばれる。
 この人が当時「解読不可能」とされ、ヨーロッパ中で使われていたヴィジュネル暗号を解読し、イギリス政府はそれを秘匿する事で数年間ヨーロッパ中の軍事・外交文書他を解読していた、とされている。

・アラン・チューリング(1912-1954)
 「計算機科学の父」と呼ばれる。バベッジの概念をより具体化した形式化手法を考えた人とされる。
 っていうか、チューリングがコンピューターの父、バベッジがコンピューターの祖父、で良いではないか!?
 その人が第二次世界大戦でドイツが使用していた暗号"エニグマ"を解読していた!とは知らなかった。
 ついでに、彼は同性愛者だったのだそうだ。これまた驚きだ。

 彼がエニグマの解読のために作った「Bombe」という機械は計算を行える機械、コンピューターの原型だったようだが、終戦と共に廃棄されたという。
 暗号周辺では、こうやって、闇に葬り去られる技術やヒーローが多い。

第二次世界大戦時の暗号解読組織(英国政府暗号学校:ブレッチレイ・パーク)の活動が1974年に公開されるまでチューリングの功績は一般に知られていなかったのだそうだ。

僕が20数年前に習った「世界最初のコンピューターはENIAC(エニアック)」は、最近では「世界最初の汎用コンピュータ」と言い換えられている。ENIAC以前に同様のマシンがあったからだ。
・チューリングのBombeを作ったイギリス政府の暗号解読組織が1939年にコロッサスという電子機械を開発していたこと。(秘密裏に戦後廃棄されたらしい)
・あるいは、同年、アイオワ州立大学でアタナソフ・ベリー・コンピューター(ABCマシン)が公開されていたのだ。

ということで、今、「未来を変える本当の技術」は、僕らの目に触れない所で粛々と開発され使われているのかもしれない。
現在ネットで使われている暗号技術が全て無になる、と言われる量子コンピューターなんて、既にあるのかもねー。
※軍事/政治的に、暗号解読は、解読できたことを悟られないようにして解読し続けるらしい。

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