月曜日, 2月 02, 2009

残念ニュース:普通の会社Google


夕べのことだ。
Googleで大規模な障害が発生したらしい。

原因は人為ミス。
検索結果の全てに、
「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります。」
と表示されたそうだ。
ついでにGmailも受信メールをことごとくスパムと判断したようだ。
(損害を与える可能性があるサイトからのメールと判断した)
1時間弱の間、全てのユーザーがこの障害に出くわしたのだそうだ。


うーん、普通だ。
これまでにも細かい障害はあったようだけど、少なくとも、「止まっているよ」という話を聞かないサービス。
銀行のATMでさえ、停止したニュースを見る事があるのに、である。
障害の影響の大きさは人により評価が異なるとは思うけど、少なくとも、こんな事でGoogleが話題になるのは初めてだ。


何もかも斬新な会社と思っていたけど、普通の会社になってきたんだろうなぁ。
あれだけのトランザクションを無停止(に見える)でサービス提供していることは、正直、驚異だった。
そして、いつか、僕が携わる仕事でも脅威になるような気さえしていた。
少なくとも、ずーーーっと、そういう品質でやってきているように見えていた。

"天才"と言われる人たちが、ビジネスに染まっていき、「大人の判断」を繰り返し、なんだか夢の無い会社になった感じ。
「ビジネスに染まる」のは、そんなに魅力的なんだろうか。いや、ジワジワと染まっていくものなんだろうな。


染まっていったように感じた過程を書き出すと、
・株式公開
社員投票だかまでやった末に公開を決断。
ただ、株主にモノを言われたくないから、全部あわせても議決権50%以下にしかならないように議決権1/10の株式を公開した。
創業者は議決権を保持しつつ、大半の株を公開する事で創業者利益をたっぷり得たわけだ。
これは、この時点ではとっても賢いやり方に見えた。

・中国進出
Googleが2007年に中国に進出する際に話題になった事が会った。
Googleは中国政府の要求する「検閲」をするのか、ポリシー「Do no evil」(悪事を働かない)を優先し進出を諦めるか、、、
結論は、中国進出する、でした。
でも、当時は、それとなく苦渋の選択、というニュアンスは伝わってきました。

・ストリートビューのプライバシー問題への対処
それが最近は、"ストリートビュー"でのプライバシー云々のクレーム対応が「大人っぽい」対応だったりしてて、、、
中国進出のときは表情が見えていたように感じたけど、大人の企業は無表情。むしろ冷笑しているイメージ。
具体的に何もなくても、"Do no evil"は、遵法で問題ないでしょ、みたいな印象に変わってきている事に気がつきました。
そもそも、"Do no evil"って言葉は、"自らが定める正義"のつもりだったはずで、「法的に問題ない」だとしたら、誰でもそんな事はやってるよ、っていう話になる。

・リストラ
天才集めてたんじゃなかったっけ?

・中国でのシェア
結局、苦渋の選択で進出したのに、中国で普及していた検索サイト"百度"のシェア奪回には至っていないようです。
あのGoogleが、勝てないのです。
圧倒的な情報量、膨大な検索結果の自然なランキング付け、それこそがユーザーメリットだったのに、検閲するんだったら、その他大勢の検索サイトと、いくらも変わりはしない。

・とはいえ、
でーも、そうは言っても中国に進出しておいて、何かしら学習することもあるかもしれないし、僕が使うGoogleは中国の検閲関係無いし、なにより、サービス開始から大きな障害を起こしていない(ように見える)のは、尊敬に値する、と、思ってた。

・今は。
が、普通のシステム障害でサービス停止。人的ミス。
普通の会社になったんだなぁ。
守るものとか意識に無い学生が言う「Do no evil」に惹かれたんだけどなぁ。
Googleも本当に大人になったってことだなぁ。
そつないっていう感じ。

そのうち、「Google ISO取得」とかニュースになるのかもだなぁ。
カッコワル~。

「Do no evil」を信用できなくなってくると、非公開のGoogle検索アルゴリズムに対する見方も変わってくる。
ブラックボックスの中で何をやっているのか、が、信用できなくなる。
法的に問題ないレベルで良いなら、相当、いろんな事ができるもの。

それにしても、なんか残念なニュースだったなぁ。
僕の場合、Yahoo→千里眼(99年サービス停止)→Altavistaと歩んできてGoogleで落ち着いていただけになぁ。

今振り返ると、検索サイトっていうのは、ネットに溢れる情報を仮想化して見せてくれてたんだと改めて認識。
溢れちゃってるから絞っときましたっていう昔のYahooに、自分で選ばせろ!って転々と検索サイトを変えてきた時期があった。
この「自分で選ばせろ!」っていう、"選んだつもりになっている"感を与えてくれないと、満足しないんだよなぁ。
「Do no evil」が揺らいじゃうと、"選んだつもり"になれないんだよ。

※はみ出し
↓は、オープンな検索アルゴリズムでサービスする検索サイト。
http://search.wikia.com/

※※はみ出し
Wikipediaによると中国のネット検閲システム開発には、780億円投入されており、多くの米国大手企業が開発に携わっている。
Wikipediaに企業名が挙がっているのは、「シスコ・システムズ、モトローラ、サン・マイクロシステムズ、ノーテルネットワークス、AOL 、ネットワークアソシエイツ(現マカフィー)、Google、マイクロソフト等」となっている。

※※※はみ出し
ちなみに、このブログサイトも、中国国内からは閲覧禁止対象だ。「***.blogspot.com」はダメらしい。
ついでに、2chもダメらしい。アホらし。
壮大なる780億円もの無駄。

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