木曜日, 7月 31, 2008

イノベーションジレンマその2:身の丈という贅沢(vs 株主の期待にこたえるいうこと)

今、「すかいらーく」が苦境に陥っている。
ファミレス業界は拡大~定着~競争淘汰~安定~~~、、、の過程を経て構造不況業種になっているようで、僕は知らなかったけどすかいらーくは一旦、上場を取りやめて再上場を目指した業績改善に取り組んでいるところだったようです。

20数年前、街の洋食屋さんが、品質と効率を追求しながら海外にまでチェーン展開するようなファミレスとなっていく過程をアルバイトとして数年間経験させてもらっただけに、感慨深いものです。

単に僕個人の思い入れ、すかいらーくの一ファンであるという立場で、この「構造不況」について考えると、「身の丈」というものの意味が見えてくる。

構造不況に強い=持続力がある、持続的である
持続的である=世の中の流れ(環境変化)に強い
環境変化に強い=変化しやすいターゲットは狙わない!or 変化にあわせられるようにする(多角経営など)


じゃ、ターゲットはというと、、
●元々の顧客層
街の洋食屋さんであれば、
・その近隣に住んでいる
・週末は家族で外出している
・外出でやや遅くなった帰りに立ち寄りそれほど高くないけど満足できる美味しい夕飯を食べる
・平日の昼は近所の主婦同士でランチを食べに立ち寄る
みたいな顧客。

●新しい顧客層
イノベーションを起こして「街の洋食屋さん」→「ファミレス」を目指した事で対象顧客ががらりと変わる。
・その道路/ルートを車で利用する人
・家で食事を作らない人
・一人、友達同士の顧客も無視できない
・食事の目的はフリードリンクで長時間過ごせるなど「休憩場所」として利用する顧客も無視できなくなる


「ファミリー向けレストラン」から「ファミリーおよび手軽な食事を求める人全般向けレストラン」に変わったわけだ。
そして、「・・・人全般」というのが移り気だったわけだ。
その上、移り気な顧客のせいで煩い/混んでる/雰囲気悪いファミレスには寄り付かなくなったファミリーもいたりしてね。


僕が知っている限りイノベーション企業のすかいらーくは多角化には早くから取り組んでいました。
また、ニュースサイトを読んで知ったのですが、現在の構造不況にも取り組みが早くて業界内でも注目されていたようです。
しかし、
・多角化とは言っても顧客層別のバランスは偏りがあった(結果論ですが)
・変化が予想をはるかに超えるスピードだった
ということなのでしょう。
創業家社長がベストを尽くしても、株主は2期連続赤字の社長交代を要求しているようで、甚だ気の毒ではあります。。
もしかすると、街の洋食屋さんという"身の丈"を守るということは、株式公開/上場による創業者利益の何億円、何十億円をもフイにするという、とんでもない贅沢なのかもしれない。


僕としては料理のレシピはもちろんだけど、工業化の基本となる
・熟練者の作業を科学的に分析(マニュアル化)
・機能分離(センターキッチンの導入)
・統計的売り上げ予測/在庫管理(看板方式からPOSの導入)
辺りまで、たかがバイトでも学習させてもらった「すかいらーく」。
復活を心から期待します!
(できれば、"ガスト"ではなく"すかいらーく"で復活して欲しいな。非株主の声は届かないのであった。)

※"すかいらーく"で検索すると、ネガティブな本が先にヒットするようになっちまったか。。

0 件のコメント: