日曜日, 12月 04, 2011

白いリボン


ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア合作映画。
世界大戦直前の一年、ドイツ北部の田舎町の空気が見事に描かれている。

当時の日本に合い通ずるような、厳格な生活、何であれ結果的に女性と子供が虐げられる社会、権威主義、、、

地主は己を守る権威にすがり、小作人の長(家令/執事)は己を守る地主にすがり、小作人は家令にすがり、幼年の子供は年長の子供にすがり、夫のいない乳母は雇い主の病院の医者の愛人となり、大人に従うしか無い子供たちは大人の暴力に狡猾に生きる術を学ぶ、、、

風景こそ宮崎駿の描くような美しい田園風景なのに、村に広がるのは、「不信」「怖れ」「嫉妬」と、愛情を失った人間社会の弱さが痛いほど描かれていました。

戦争が決まった日、礼拝のため村人全員が教会に集まる。

集まった村人達にあるのは、戦争に突入することで不安になっているわけではない。
「(村に縛られずに)新しい旅に発てる」と、村でしか生きる場所がなかった状態からのヤケクソに近い開放感があるのだ。

そんなエンディングを見ながら、観客側としては、なんとも暗い気分にさせられたのでした。
あの時代の空気を共感させられる、この映画、この監督ミヒャエル・ハネケはすごい。
ちなみに、2009年の作品でモノクロ作品。

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