木曜日, 12月 08, 2011

ちょっと興奮「ヨーロッパ最大のIT企業が社内電子メールを廃止」



するんだそうだ。電子メール廃止。18カ月後。
これは、来年のムーブメントになるかもしれない。
http://jp.techcrunch.com/archives/20111201solving-email-overload-with-a-company-wide-ban/

リンク先記事はどうやって廃止するか報じていない懐疑的な論調だし、僕も最初は「それは無理でしょ」と感じた。

でもまてよ、その会社がどうなるかはわからないが、世の中的にはアリかもしれない。
電子メールを評価する/しない、好き嫌いから離れて考えてみよう。

電子メールでの仕事の進め方の特徴
・1対1もしくは1対Nのコミュニケーション
・リアルタイムではない(読むタイミングは読む側に任せられる)
・仕事内容別ではなく担当者別に、送り手の意向でメールは飛び交っている
・重要度の判定は読む側に任せられる(送る側が"重要"マークを付けられるが、受け取る側は、送信者と件名から独自に重要度を判定している)
・仕事以外のメールも飛び交う
・基本はローカルでデータ管理されてしまう
・メール単独で完結するわけではなく、成果物はDBに格納し、場合によっては掲示板などソーシャルネットワーク的なものも使う。

ソーシャルネットワーク(Facebook的なやつ)での仕事の進め方
・1対1もしくは1対NもしくはN対Nのコミュニケーション
・リアルタイムではない(読むタイミングは読む側に任せられる)
・自分の担当業務に応じて、必要なコミュニティー、必要なスレッドに参加する
・自分が必要な分の更新情報に絞って受け取ることが出来る(メールやログイン時のトップ画面で)
・重要度は参加者の意思と連動する(重要でないコミュニティーには参加しない)
・情報がオープンになるため仕事以外の会話は最小限に抑えられる
 (個人的な会話をソーシャルネットワークではしない)
・基本はクラウド型のデータ管理
・オープンソフトの開発はソーシャルネットワーク型で進められている。実績は十二分にある。

なるほど、メールは、どうしても相手の仕事内容を考えながら、それぞれ別々に報告したり、依頼したり、確認したり、ということになる。宛先が重要なわけだ。
当然、同じ内容でも相手に合わせて表現を変えたり、言葉遣いを変えたりしている。
たまに見かける目上の人が部下に乱暴なメール指示(結果的に、部下が上司を訪ね、直接話を聞かなければならない)を出したり、なんてことが、今は当たり前だ。

一方、ソーシャルネットワーク。
情報にアクセスする人を想定するとは言っても、特定の個人とは限らない。誰が目にするのかわからないのが基本だ。だから、表現を相手毎に合わせて変える必要はないし、同じ情報を相手毎に表現を変えてメールするようなことも不要だ。
さらに、仕事内容毎の分類にそって、参加者自身が自分で情報を取捨選択していくスタイルになる。
悪く言えば相手任せになるわけだけど、ミッションが明確であれば、概ね担当すべき人が必要な役割を自ら担うだろう。
もちろん、残念ながら自ら取捨選択できないケースもあるだろう。そんな時は、1対1でメールを差し上げる。と。そんな感じになりそうだ。
これは、言ってみれば今も変わらない。


現実には、全廃という話ではなく、仕事をすすめるメインはソーシャルネットワーク、メールは補助的なものになっていくのでしょう。
最近は、企業でもソーシャルネットワークを活用しようと取り組み始めているのですが、従来の仕事の仕方「メール」に慣れ親しんだために、なかなか移行できないだけなのかもしれませんねぇ。


実際、今、自分がメールで処理している仕事を、ソーシャルネットワークに移して困ることがあるか?と考えると、「読んでもらいたい相手が、日常的にアクセスしているなら大丈夫」だな。
残念ながら今はそんな状況ではないので、日常的にアクセスしているメール主体で仕事を進め、自分の仕事の記録先としてソーシャルネットワークを使ったりしている状態。

一人ソーシャルはあまり意味が無いのだろうけど、バックアップの心配もないし、履歴管理もできるし、後で探しやすいし、まぁ、便利ではあります。


みんなが担当業務のコミュニティーに参加し、自分の仕事のスレッドやwikiをきちんと認識してアクセスして行動するなら、必要以上に余計な会話や、なにより、準ジャンクメールの相手をする時間は激減するでしょう。
1対1になりがちなメールだと、どうしても、余談も始まってしまうし、しかもクローズな話題(悪口や愚痴)もしやすかったりしがちです。ソーシャルネットワークなら、必要な範囲でオープンになるため、そーゆー非生産的(コミュニケーションの面でもさほど有意義でない)な活動はしなくなるでしょう。

あるいは、上司の乱暴な指示メールなんかも、SNS主体で仕事を進める場合は公開されてしまうので、乱暴な指示を改めるか、あるいは、そんな指示しかできない方には退場していただくしかなくなるわけだ。

SNSで仕事をする妄想を進めていく中で、その昔、電子メールを仕事で使い始めた時代を思い出しました。
最初の頃は、「飲み会の約束」ぐらいでしか使われなかった、あの時代の空気。
あの時代「報告書は無くなります」なーんて言ってたけど、必要に応じて残るものは残りつつも、確実に「主体はメール」になった。
社長(トップ)が電子メールを使うようになったら会社全体で電子メールを使うようになった、あの時代と同じように、社長がSNSを使うようになれば会社全体でSNSを使うようになるわけだ。

ということで、電子メール偏重からソーシャルネットワーク偏重へと舵を切る時代が始まった、んだねぇ。

※ハミ出し
 ソーシャルネットワーク、流行りのつぶやきも顔本もプライベートでは使ってないなぁ。
 あーゆーのは、プライベートだと気を使っちゃうから疲れそうなんだよねぇ。
※ハミ出し
 "Atosの野望"は、本当らしい。ツール詳細はわからないけど、組織変革と何らかのSNSを活用して「ゼロメール(Zero email)」を達成するのだとAtosのホームページで謳われている。
 http://atos.net/en-us/about_us/zero_email/default.htm

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