日曜日, 12月 21, 2008

自分の人生を映画で観るということ

遅まきながら?「ニューシネマパラダイス」を観た。

多分、僕以外の人は相当観ていると思われるので、ストーリーはおいとく。


とにかく、涙が溢れた。
悲しい話?感動する話?
どれでもない、見終わった直後には、ストーリーの何かに心を打たれたと思っていたんだけど、一晩経って、それは違うと思った。


この映画、観た人に対して観た人の「自分の人生」をまざまざと見せつけるのだ。
映画の登場人物の人生を具間観たはずなのに、「自分の人生」を観た気になるんだ。


観た人それぞれに、血の繋がった両親に限らず、自分を育ててくれたかけがいの無い人がいて、死ぬまで忘れることの無い愛した異性がいて、夢中になった仕事があって、過ちがあって、成功があって、後悔があって、喜びがあって、、、
見終わった後に、まるで自分の人生を映画で観たかのような思いにさせてくれる映画。
主人公の環境やストーリーと観た人の人生に共通点は無いように思える。
でも、人が生きていく根っこは実は同じ。その根っこを見せられ、理屈ではなく、自分の人生を感じさせてくれる映画でした。

それは、とても不思議な感覚。
美しいシチリア島の街を、とても自然に、まるでそこに観ている自分が存在しているかのような映像が続く。
美しい街だからこそ、目立ってしまう、むしろ、美しい街にはそぐわない景観。
犬がうろうろし、酔い潰れた酔っ払いの大声が聞こえ、自転車が通り過ぎ、変なオジサンがブツブツ言って、子供達が賑やかに走り去る。雑音に満ちた社会。

でも、それこそが生活。

余りに自然な「普通」の生活。よくある人生。
ともすると「つまらない」人生。
長い人生。惰性の様に続く日々。

そんな中にドラマチックな愛情なんて見えない。
人は、どこかでドラマチックな展開を望むけど、そんなドラマは起こらない。
その日々に埋もれて見えなくなっている愛情が見えた時、、、、ノックダウン。

何度観ても、いや、日々の生活の中で、たまに観ると元気になれるような映画。
久しぶりに、僕の映画ランキングが入れ替わったなぁ。そんな映画でした。

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