月曜日, 7月 13, 2009

近所の山羊




毎朝、会社に向かう家の前の坂道。
坂道とは言っても、二車線の県道で、交通量もそこそこある。

広めの歩道に意図されて植えられたとは思えないほど茂っている街路樹のトンネル。
この上り坂は、いくらアシスト付き自転車とは言ってもスピードは落ちる。

ゆっくり登っていく歩道の脇、屋根と歩道の高さが同じぐらいになる谷側の低い土地にある家畜小屋。谷の底は結構な広さの畑になっていて、蓮のような大きな葉っぱが見える。畑は谷底にまで届く朝日を浴びて光っている。毎朝見る光景。


坂道を小屋に向かって自転車を漕いで登っていくと、その日の風向きによって"田舎の香水"家畜の匂いがしてくる。いよいよ小屋の脇を通る時には小屋の中から山羊の鳴き声が聞こえる。
一度、小屋のトタンが壊れて中が覗けたことがあった。小屋の中には、少なくとも二頭の白い山羊がいた。

そもそも、この町には、牛舎が結構ある。場所によっては、牛だらけだ。
だけど、牛舎は、匂いの問題もあるようで、どれも通りから奥まった場所に点在している。そんなわけで、僕の通勤経路でみかける唯一の家畜がこの山羊だった。

今朝も、その坂道を登って会社に向かった。
いつもの懐かしい田舎の匂い。家畜小屋の脇を通る。

あれ?山羊の声がしない。
そういえば、この何日か、山羊の声は聞いていない。

遅ればせながら、ようやくこの週末に観た、「おくりびと」の山崎努の言葉が思い返される。
映画の中で彼が演じるベテラン納棺師は、旨いモノ"肉や魚も遺体なのだ"をほおばりながら、
「旨いんだな。。。困った事に。」
と呟く。
きっと、あの山羊たちも「困った事に」美味しかったに違いない。

でも、もしかすると、最近の激しい蝉の鳴き声で山羊の声が聞こえなかっただけかもしれない。
こんど、ちゃんと、あの小屋の山羊を確認しよう。
暑いから啼かないだけかもしれないもんな。涼しい日陰に引っ越したかもしれないし。。。

※残念ながら沖縄の名物「ヤギ汁」はまだ食べていません。年配の方でないと食べる人は少ないようで、なかなか「困った事に旨い」とつぶやくような機会には巡り会っていません。
※※会社でこの話をしたら、ヤギはシュレッダーの代わりになるのではないか?という話で盛り上がった。そうしたら、会社にヤギを何頭も飼わなくてはならなくなります。それも面白いかもしれない。
ヤギに普通の紙を食べさせてはいけないそうです。あたりまえか。。。

0 件のコメント: