金曜日, 9月 17, 2010

統計よりも「1人のストーリー」が有効な理由(Wiredより)


仕事で、そうショッチュウではないが、アンケートなり○○調査なりの報告をまとめることがある。
このアンケートで、いつも、扱い(お偉いさんへの報告)に困るのが、「コメント」の扱いだ。

そもそもアンケート分析は、"統計的に有意な"(←専門ではないのでそれ以上は説明できないが。。)傾向を読み取るものだ。要するに、言葉は悪いけどレアなケースは無視して、より強いニーズを探るものなわけだ。

しかし、現実はそう簡単ではない。それが、コメントの扱いだ。
大概の場合、結果報告を聞く人達は、統計的に有意な部分よりも、より生のコメントに反応する。たとえそれが、何万分の一の意見だとしてもだ。
そういうわけで、報告は、そういう方向に話が進まないように慎重を期すわけだ。

で、なんでこんな話をしているかというと、面白い研究結果が紹介されていたからだ。
「統計よりも「1人のストーリー」が有効な理由」Wiredより
http://wiredvision.jp/news/201009/2010091722.html



この研究結果の例では、チリの鉱山での事件の方がパキスタンの洪水よりも感心を呼んでいることを挙げている。

リンク先ではこのようにまとめている。
「われわれは、ひとりの子供が井戸に落ちたら心配で目を離せないが、清浄な水が無いことで毎年何百万人もの人が死ぬことには関心を持たない。雑誌の表紙に載ったひとりの戦争孤児には何千ドルもの寄付が行くが、ルワンダやダルフールで大虐殺が起こっていても無視される。マザーテレサの言うように、「数として見た時には行動しない。ひとつの例を見た時には行動する」のだ。」


もしかすると依然と戦争や様々な紛争が終わらないのは、マスという枠でしか報道してこなかった(出来なかった)メディアのあり方が良くなかったのかもしれない。

戦地から個々の人々や個人で活動するジャーナリストが、一つ一つの例を報道するようになった時、受け止める僕たちは、数としてではなく、隣人の事として心を揺さぶられ、自分の問題として紛争を終わらせる事をようやく考える気になるのかもしれない。まだ、そこまでネットは行き届いていないが、Twitterなどで戦地に暮らす方がつぶやいたりするのは効果があるのかもしれない。
※こういう個々人の(無償だったりの)活動が産み出す効果の話をすると、企業こそ信頼性を保証しているとか、直ぐに持ち出されるわけだけど、Wikipediaの例や、大新聞が戦前、戦後、に真逆の論調に変わったことなどを考えれば、そう目くじらをたてるような話ではないと思う。


僕の大好きな、近未来を描いたドラマ「MAX HEADROOM」の主人公MAXは、そんなパーソナルメディアのカメラマンだったことを思い出した。

0 件のコメント: