水曜日, 1月 12, 2011

イノベーションと大所帯を率いるマネージャー

マネージャー(PMではなく人事上のマネージャー)が50人もの部下を持つなんて、私のようなズボラな人間には無理~、と思っていた。
が、面白い、納得する記事を見つけた。
http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2010/20100705/15377/15387/

その記事によると「敢えての大人数所帯で構成した組織の方がイノベーションを起こしやすい」という内容だ。

敢えて、マネージャーに30名~50名の大所帯を管理するように組織を構成する。
すると、物理的な限界もあって、
・細かく管理できないことで、部下の自主性が促される
・上司の特権"情報の独占"が排除されオープンな職場環境になる
・社員の自由度が担保される
・社員自ら考え行動する能動性が必然になる
・階層の壁を突破できない社員は良い仕事が出来なくなる(評価されない)
・階層の壁を超えた仕事がそこかしこで発生するためイノベーションが起きやすくなる
という状況になる。

一方リスクとして、
・収拾がつかなくなる
こともありうる。

そのため、マネージャーの役割は、
・直接的な管理はしない(物理的にできない)
・コーディネーターに徹する(物理的にこれしかできない)
・(管理しないため)面談など社員とのコミュニケーションを密に行う
・組織の方向についてもコミュニケーションの中で合意を得ていく
として組織を間接的にコントロールするのが役割となるのだそうだ。
当然、間接的にコントロールしながら組織としての結果を出すという、対人間に対するマネジメント本来のスキルが要求されるようになる。
(指示と管理は、本来、機械相手のマネジメントであるはずだ)

ちなみに、上述のサイトで紹介されているGoogle社では、上司と部下とのOne on Oneの面談は30分/週だそうだ。他に四半期ごとに個人目標設定(見直し)をするのだそうだ。

なるほど。
30分/週というのは、50人部下がいる場合、正味25時間かかるということだ。
マネージャーは、毎日、概ね殆どの時間を部下と会話している、ということだ。この場合、マネージャーの仕事は部下との会話、だと言い切れる。

部下からすれば、通常の会社のように、「忙しい上司の時間を自分との会話のために割いてもらうこと自体マイナス評価になりそう」なんて心配なく、「話忘れたことがあったけど、来週の面談で話せばいいや」ということで、そりゃあ、風通しは良くなるに違いない。

そして、この方法の本質的に素晴らしいところは、マネージャーに対し、上下関係で(対機械のように)人の上に立つのではなく「人として人を纏めていく」という能力を要求するところだ。
当然、マネージャー自身も人として成長するであろうことは容易に想像できる。


この方法はGoogleのような企業にだけ有効なのだろうか。

いや、むしろ、高度成長期の日本企業なんて、きっと、どこもそんな風に人としてうまくマネジメントしていたのだと思う。今現在だって、小規模ながらも成長している会社では、そんな風にマネジメントしている会社の方が大いに違いない。

むしろ、大した成長もできなくなった会社の方が、大量の高給取り管理型マネージャーと深ーい組織階層になってヒイヒイ息も絶え絶えに喘いでいるような気がする。

株主は株価の成長は願っても人の成長は願わない。Googleの経営参加権の無い株式公開は、そんなところでも意義深いのかもしれない。
(イノベーション後には株価は上がるがイノベーションの最中には株価が上がらないかむしろ下がる)

↓は"超"オススメです。

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