月曜日, 5月 12, 2008

ムラを守る事

先日、地元の生地屋さんにカーテン生地を探しに行った時のこと。
素敵な麻の生地があって、また、麻にしては手ごろな値段。聞いてみると、東京から取り寄せているのだという。


ここ地元の麻だって有名なのだが、それはとてもこの値段では売れないほど高いのだという。高いものは、どこか遠くまで運んで、更に高い値段で売られているのだろうと想像できた。


あれ、この話、最近似たような話を環境の話題で耳にした話だ。

その話は、ある世界のはずれの、貧しいけど食うには困らない漁村の話だ。
それまで、先祖何代もの間、そのムラでは食べるのに必要な魚は、ムラに面した海で充分に獲れた。原始的な方法の漁で充分に村人全員が食べてこれたのだ。


ある時、その魚が先進国で高値で取引(とはいっても、先進国側からみれば自分たちの海で獲るよりもとても安い値段)できるとムラは気づいた。
そして、ムラでは漁法を近代化し、先進国に自分たちが日々食べてきた魚を売る事で現金を得る事に夢中になった。


わずか数年後、そのムラの海では魚が獲れなくなった。
ムラには失業者が溢れ、ムラを去るものが後を絶たなかった。ムラは崩壊した。
ムラの多くの人が流れた近隣のマチも失業者で溢れる事になった。
こうして、食べる事もおぼつかない貧しい人が増えた。


そんな話だったと思う。
麻の場合は代わりに安い合成繊維になっても何とかなるけど、本質は変わらない。
生きるために必要な食べ物よりもお金が重要になった時、お金を手にできない人たちは飢える事になる。
もしかしたら僕たちが安い/旨いと大喜びで食べた魚で、たくさんの家庭が崩壊し、飢える人が増えたのかもしれないのだ。


日本が戦争で負けたとき、アメリカやヨーロッパの国々が「米」を買い漁るような事があったらどうなっただろう。米が手に入らない状況で戦後の復興はあり得ただろうか。


地産地消、言うのは簡単だけど、それを許さない「金持ちな国・地域」の略奪は終わっていない。そんな気までする麻の話でした。


※ちょっと強引に話を繋げたようにも思うけど、やっぱり、どっか違和感の拭えない状況だと感じたのでした。

※AEONが毎月決められた日にレシートを提出するとその提出されたレシートの売り上げ金額の1%を地元のボランティア団体に寄付するプログラムを始めたようです。これって、Patagoniaの「1% for the planet」(売上高の1%、利益のとか回収したレシートのとかではない)に比べれば、回収したレシート分だけの、とても小さな活動だけど、少しずつ企業は社会貢献無くして存続できない空気が出てきたのかもしれない。
http://www.aeon.info/environment/aeonday/yellow_receipt.html

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