水曜日, 9月 09, 2009

ビジネスが求める顧客像



行き過ぎた幼児教育の記事を読んだ。早期教育は幼児虐待とも言えるという話。
一日中習い事に追われ、心身を壊していく幼児が少なくないという記事。
5、6歳の子供が自ら家出して児童相談所に駆け込むケースさえあるという。

"売る側"から見れば、その子供が「既に充分な教育を受けているかどうか」は、残念ながら考慮されないのだろう。その子供の親が納得さえすれば、可能な限り教育サービスを売っていくのだ。

結果、たくさんの教育サービスを購入した家の子供は、親や友達と触れあう時間さえ削りながら、まるで仕事のように教育サービスの消費に一日中追われ、幼い心と身体が壊れていく。

記事を読んで、今さらなんだけど、「いくらでも買ってくれる客」が最高のお客様なんだと疑問を持たないビジネスが多い事に気がついた。
通常は、お客側の都合で、経済的な限界点があるので「いくらでも買う」わけにはいかないのだが、子供への教育のように、お客側が重要だと考えれば限界点ぎりぎりまで支出するのだ。

ましてや、今は、格差の時代だ。限界点が高い顧客は限られている。
じゃあ、限界点の高い顧客に、たくさんの教育サービスを売るのは、ビジネスとして当然の考え方だ。ビジネスは金儲けなのだ。

ダイエット関連商品しかり、ファッション関連商品しかり、限界点がそれほど高くないのは「生鮮食品」ぐらいだろうか。

そんな風に考えていて、ふと、限界点の高い消費者としてマイケル・ジャクソンを思い出した。彼の青天井限界点人生は想像に難くない。
彼の健康よりも、彼が限界点の無い消費者として、「整形手術を繰り返し」「スペシャルな医療サービスを受け続け」たという側面もあるのだろう。
彼への売り込みは半端じゃないはずだ。
限界点の無い(高い)一個人としての消費者の存在を知った時、そこに接することのできた優秀なビジネスマン達は商品を売り続けたのだ。

以前、女性を「子供を産む機械」と例えて失職した人がいたが、同じように例えると、人間は「商品を買う機械」という事になる。
同様に、子供は「商品を買う機械の性能を上げる潤滑油」みたいなものか。

なんだか、エコポイントだのエコカー減税まで、国民は「商品を買う機械」のようにバカにされたような気分になるなぁ。。。

※はみ出し1
日本の早期教育の先駆けは、SONYの創業者の一人である故 井深大さんが設立した「財団法人ソニー教育財団」。
70年代から早期教育に深く関わり続けた井深大さんは、90年代には「知的教育は後からでも間に合うが、心の早期教育をすべき」と当初の考えと真逆とも言える結論に辿り着いていたのは興味深い。


「君たちの両親には、君たちが問題なく生活し、宿題をやり、起きている間中テレビやXboxの前に座っていたりしないようにする責任がある」




ソーキ+松+竹=そーき+しょうちく=早期教育、なんちゃって

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