火曜日, 9月 08, 2009

未来に残したい辞書



ふと、気になって「いたちごっこ」をググってみた。

どうも江戸時代の子供達の遊び、「いたちごっこ、ねずみごっこ」というのが語源らしい。
この遊び、互いの手の甲を交互につねりながら重ねる遊びで、重なった手の一番下の手が、再度、一番上の手の甲をつねるため、際限なく続けられる。これが転じて、「両者が非建設的なことをやり合うだけで実りのない様子」を意味するようになったらしい。

で、ググっていてとても面白いサイトに辿り着いた。
最初に発見したのは、「新明解国語辞典」からの「いたちごっこ」の抜粋だと思ったのだが、、、、このサイト、新明解国語辞典を徹底的に研究しているサイトだったのだ。
(僕が知らなかっただけで、新明解国語辞典のぶっ飛び振りは有名らしい。解説本まで出版されていた!)

トップページはこちら。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/

確かに新明解国語辞典、かなりユニークである。
国語辞典というフォーマットの中で、書き手(主幹)の山田さんが、随所に個性的な言葉の解説を繰り広げているのだ。

こんな例が紹介されている。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/miryoku.htm

●どうぶつえん【動物園】
 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。 (第4版)


このホームページの作者も、この「動物園」に出会って興味を持ったと書いているが確かにインパクトがでかい。"飼い殺しにする人間中心の施設"は、真実を突いている。笑

あるいは、こんな例もある。
●れんあい【恋愛】 
 特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。(第5版


うーん、"肉体的な一体感も得たい"か。そうだよなぁ。共感というか感動すら覚えてしまう。

おなじ言葉でも版によって進化/退化する例も。
●れんあい【恋愛】 
 特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・(まれにかなえられて歓喜する)状態 (第4版)


うむ。元々は直球だったんだねぇ。

あと一つだけ、お腹が痛くなるほど笑った例。
とにかく、このホームページは、お勧めです。
●がったい【合体】
 ①起源・由来の違うものが新しい理念の下に一体となって何かを運営すること。
 ②「性交」の、この辞書でのえんきょく表現。  (第4版)


もう、「この辞書でのえんきょく表現」って。。。。。このサイトの言うとおり、何でもアリだ~!


Wikipediaで概ね用が足りてしまう今、もう何年かしたら「昔は限られた人達で編纂した辞書があって」などと言われるのかも知れない。
新明解国語辞典がいかにしてユニークな存在になったか、についても、wikipediaに詳しく記載(あくまで一つの見解なのだろうが)がある。

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