火曜日, 12月 28, 2010

前回「世界中の本はたくさん」の続き

前回「世界中の本はたくさん」の続き

本絡みで辿り着いたサイトの話題なのにリンクは貼りません。
何故なら、よくよく、よくよくよくよく、読んでも、怪しさを払拭できないサイトの話題だから。


それは、「5万円で貴方も商業出版書籍の著者に」とかなんとか言っているサイトだ。


正確には、「5万円であなたの書いた何かしらをISBNナンバーの付いた書籍としてamazonに取り扱い(1年間)させますよ」ということだ。
ある意味、amazonの新しい使い方として画期的だ。

ちなみに、
ISBNというのは、「社団法人 日本図書コード管理センター」という団体が発行と管理をしていて、誰でも申請すれば、10書籍分で\16,800で登録できるようです。
amazonでの委託販売は、amazon自体がe託販売サービスを受け付けていて、年間\9,000円の参加費用と商品一点の商品預入をすればスタートできるようです。この際に、書籍ならISBNコード、DVDやCDならJANコードなどが必要となるようです。


話し戻って、そのサイト。
ウリ文句が「あなたの長年の夢を実現します。あなたの本を出版できます!」になり、更に自費出版ではなく商業出版「amazonで取り扱わせます」、と謳っています。

当然、出版した自分の名前でググれば、(通常はamazonの結果が優先されるため)検索結果の筆頭にその書籍が表示される。それをもって「あなたの社会的価値が上がりますよ」ということだ。

従来のように自費出版で大枚を失った挙句、大量の在庫を抱え、かつ、誰にも知られない、という寂しい状況にはならないのだ。
ぐぐれば確認できるのだから。SEO対策だとか、そんな事を考える必要もない。
まぁ、名前によってはペンネームを工夫する余地はあるかも。


出版に際して、誰も内容について精査しないし、アドバイスもしない。表紙も自分で用意する。

仮に、旅行先で撮ったデジカメ写真とかが、100枚あれば100ページの写真集
そうやって、それなりの文書量を持ち込めば、amazonで取り扱っている書籍の筆者(←筆者でも監修でも○○編纂委員会代表でも、なんにでもなれる)にしてくれるのだそうだ。

うーん。僕は買わないし、そんな本を掴まされた日にゃあ返品するだけだけど、このアイデアは素晴らしい。
amazonはロングテールをビジネスにしたことでイノベーションを起こしたのだけど、その、ロングテールを逆手に取っている。

ロングテールの部分に名前を連ねること自体の価値を5万円(自分でやれば\25,000円?)として販売しているわけだ。

そして、その怪しいホームページを辿っていくと、要するに儲け話全般を取り扱っている会社にたどり着いた。
儲かり話を○万円でお譲りします、的な。

そして、その儲け話全般を取り扱う会社の代表が、まさに、数冊のamazonで取り扱われる本を出版している人だということがわかった。「学生アパートの探し方」みたいな表題の本も書いた人、らしい。

5万円払えば、(本屋さんでは手に入らないけど)「このブログが出版されました」っていう自己満足を得られるというわけです。

僕なんて単純なミーハーオジサンなので、誰かに「私の話が本になっててね」なんて言われたりしたら、超単純に「スゴイですねぇ」なんて反応しそうで、なんだかなぁ。
その上、「是非、一冊買います」なんて言いそうで、更に、追い打ちをかけるように「サインをお願いします」なんて行っている自分の姿は、、、情けない。。。

0 件のコメント: