木曜日, 12月 16, 2010

映画 オーケストラ



映画には、定番・鉄板のストーリーにも関わらず、「感動する映画」「感動しない映画」、あるいは「もう一度観たい映画」「二度と観ない映画」「観なきゃよかった映画」が存在する。
要するに「好き」「嫌い」に別れる。

そして、この「好き」「嫌い」の傾向は、結構、その人そのものの傾向も表しているようだ。
最近気がついたのは、タランティーノ派と反タランティーノ派。タランティーノ派ではないのでタランティーノ派が何を良しとしてタランティーノ派的映画を観ているのかわからないが、なにしろ、タランティーノの映画は観る機会がないのが反タランティーノ派だ。
何度も言うが、観たことがないのでタランティーノさんの映画をどうこう評することができないのだけど、結果的に、観てない、もしくは観ても記憶に留まっていないのだから仕方がない。

この事実を指摘したのは、私ではなく、まだ記憶力の衰えていない若者だったが、僕はとても納得した。ちなみに彼も反タランティーノ派で、彼なりのタランティーノ派がどういうものであるか理論も数十分にわたって展開してくれたのだが、残念ながら私の衰えた記憶に残ったのは、タランティーノの映画は素人にはつまんない、だった。
とにかく、あれほどレンタルDVD屋さんでアピールしてくるブルースリー風レオタードに身を包んだ女性の流し目にも、なぜかそそられないのだ。


そんな派閥の一つになるかもしれない「オーケストラ派」。

この映画、例によってストーリーはググッてもらうとして、とにかく、良い。
今年一番涙を流した映画だ。だからと言って、悲しい話ではないし、むしろ、面白おかしく楽しい元気がでる映画だ。ベスト1というわけでもない。
ストーリーが凝っているわけでも、何か特殊な映像効果があるわけでも、すばらしい風景があるわけでもない。

だけど間違いなく名画だ。

題名もストレートだ。
オーケストラが主人公だと容易に想像がつく。
オーケストラという題名で、未開のジャングルに戦士が迷い込み伝説のタイガーと戦う、「おー消すトラ」ではない。

クラシック音楽はちょっと、、、という、クラシック音楽苦手派の方でも大丈夫だ。なぜなら、私がこの映画をDVDで観た後、たまたま映画館でやっていて観に行ったんだけど、一緒に観た連れは、途中、クラシック音楽界に蔓延する眠り病にかかりながらも、最後は感動して涙と鼻水を大量に流していた。


そして、オーケストラ派の多くが属するのが、ヨーロッパ(主にフランス)映画派になる。
無意味にやたら心拍数を上げようとする映像・音響的効果ではなく、あくまで伝えたいのは「気持ち・心」の派閥になる。
やたら長いタイトル「星空に向かって狼は悲しみのメロディーを啼く」みたいな映画ですら、派手なアクションシーンの中でしっかりと心が描かれている。

多分、製作現場では、「心を描く」事が最優先された中で、いろんなアイデアが取捨選択され、映画作品として、とても豊かな作品に仕上がるのだろう。

そういえば、この映画を見たから、そこから一気に、「クラシック音楽関連映画」を借りては見るようになったのだ。
気が付かなかったのだけど、こういう風に、次に見る作品をも左右する作品は、どんだけ凄いか、ということだ。

マーケティング費用と広告費用で膨大な制作費の半分以上を使ってしまう映画会社がアホに見える。し、多分、アホなのだろう。


尊敬するリチャードストールマンは、「もしハリウッドの映画を見ようと思ったら、事前に内容を吟味して、駄作でないとわかってから行くようにしたほうがいいよ」と言っている。全くその通りだ。


何が凄いか、は、僕の力ではどうにも言葉にできないけど、ヨーロッパ映画派、notアバター派、notホラー映画派であれば感動間違いなし。
観ていないのでわからないが、"のだめ派"は駄目かもね~←超先入観

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